February 23, 2009

Musical『ダウンタウン物語』

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アラン・パーカーのデビュー作で、14歳で妖艶な歌姫タルーラを演ずるジョディ・フォスターは「タクシードライバー」の次作だとか。子どもたちのみが登場して、ちびっこギャングの様子を描く異色作。抗争のシーンでは漆喰銃やパイ投げ・・というあたりが子どもらしくて、思わずにやりとしてしまう。

後にミュージカル『Evita!』などを撮るアラン・パーカー監督。作品全体のトーンや色合いは、やはり彼らしい。暗くて重めの色調。子どもたちのちょっと気取った生意気なぐらいの演技がとてもよい。ファット・サムやダンディ・ダンなど、大人顔負けの演技。音楽としては、思ったほど印象には残っていないのが少し残念。

それにしてもジョディ・フォスターは、大人になってからよりも子ども時代の方がセクシーかも!? この作品が作られた1976年と現代とでは、子どもたちを取り巻く状況がだいぶ変わってきている。セクシーさをにおわせる子役の起用が、今は許されるかというと難しいような気がする。

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October 22, 2008

王女メディア

何とも不思議な作品である。パゾリーニ監督作品が観たくて、おまけにマリア・カラスが主演とあらば観たいと思うのは自然なこと。

オペラファンである知人に「カラスは歌っていませんよ」と聞きつつ、お借りした。少し年齢は上であるが、それでも充分に美しいカラス。ギリシャ悲劇の王女メディア(いわゆる「メディア」の語源になっている)は、夫に裏切られて嫉妬に狂うのだが・・。
どうしてもメディアとカラスが重なって見えてしょうがなかった。夫がありながら海運王オナシスとの恋に落ちたカラス。晩年は一人寂しく不遇であったらしい。複数の映画にもなっている。

「メディア」関連で言えば、オペラにもなっていてカラスが歌っているし、パリ・オペラ座のバレエ「メディアの夢」もまたよかった。

よく言われることだが、この作品は邦楽・ブルガリアンヴォイスなど非ヨーロッパ系の音楽が多用されている。とても合っているようなそうでもないような・・というのは「奇跡の丘」にも言える。でもきっと、それがパゾリーニらしさなのか。
パゾリーニは、抗っているものと大切にしているものが実にはっきりとしている監督だ。だからこそ、彼に惹かれるのかもしれない。

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February 08, 2008

新国立劇場「サロメ」

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オペラにはまったのは、関西の知人がベストチョイスでビデオやDVDを貸してくださったことがきっかけだった。当時ヨーロッパ旅行に3年連続で行くことがかない、「せっかくヨーロッパへ行くなら、本場でオペラでも・・」という軽い気持ちがすっかりはまった。
彼女のお薦めがとてもよかったし、ヨーロッパの劇場が素晴しかったなど様々な幸運が重なった故だと思う。

リヒャルトシュトラウス作のオペラ「サロメ」も恐らくMさんのチョイスで、テレサ・ストラータス主演のビデオを観た。美しく小悪魔的な魅力でこちらを惑わす。義父のヘロデではなくても誘惑されてしまうだろう。このビデオが大変よく、また官能的でさえあるリヒャルトシュトラウスの楽曲にも飲み込まれるようにはまった。
関連作品もいろいろ試した。オスカー・ワイルドの原作(戯曲)はもちろん、Mさんお薦めの塩野七海氏の「サロメの乳母の話」、コミックでは牧美也子の「サロメ」、連れ合いの勧めで星野之宣「妖女伝説」。映像では「オスカー・ワイルド」、ケン・ラッセルの「サロメ」、フラメンコではアイーダ・ゴメスの「サロメ」、演劇はスティーブン・バーコフの「サロメ」。絵画ではモロー・・など、私がちょっと手を出しただけでもずいぶんとある。枚挙にいとまがない。
退廃的・官能的とも言える19世紀末芸術に何故これほどまでに惹かれるのだろうか。一言付け加えるならば、「サロメ」はこれほどまでに悪女であったかどうかは定かではないようである。後世の脚色の方が多いのだとか。

「生涯で一度でいいから、ぜひ観たい」と願ってはいたが、今春密かに計画をしていたヨーロッパ旅行が延期になり何かオペラでも・・とネットで調べていたら、新国立劇場でのサロメ公演! 安めの席はほぼ埋まっていて、その時点で安めの席で残っていたのは水曜日。教会暦では「灰の水曜日」と言って、受難節(レント)に入る日だった。受難節にサロメ!?と少々気がひけたが、このタイミングを延ばす手はなかったので予約をした。

何度か映像では観ていたし、授業でも紹介したりするので特に予習も復習もしていかなかった。拍手をする間もないままに、突然楽曲が始まった。いきなり作品に引きずり込まれたのだが、この作品は休憩なしの1幕で1時間40分。最後まで息をこらして鑑賞した。

サロメは少し経ってから登場する。義父のヘロデ王の誕生日の宴席から逃れて。義父の自分を見つめるまなざしの怪しさに辟易としている。サロメ役のナターリア・ウシャコワの演奏は最初はそれほど素晴しくはなかった。それなりにはよいのだけれど、思ったほどではない。しかしこの歌手は案外すごいのかもしれない。その時によくない調子をどんどん合わせて、結果的に最後のモノローグとも言える大事なシーンでは、もっともよく声を鳴らし堂々としたサロメを演じていた。

今回何と言っても素晴しかったのは、ヨハナーン(バプテスマのヨハネ)である! ジョン・ヴェーグナーというバリトン。セットは前方真ん中に大きな井戸のような穴があって、ヨハナーンはそこに幽閉されている。最初は穴の中から声がするのだが、穴の中の声でさえ麗しい美声で全身の登場が非常に待ち遠しかった。
そして、サロメに懇願されて牢から出されるヨハナーン。見た目も大柄で見栄えがよく、これ以上はないかも!と思えるほどヨハナーンにふさわしい美声だった。洗礼者ヨハネというよりは、イエスのような気高さもあった? ワーグナー作品などもぴったりだろう。

全体的に男声の安定感とよさが目立った。ヘロデ役のヴォルフガング・シュミットもまるでお手本のようなヘロデだったし、ヘロディアスは以前から個人的に大好きな小山由美さん。彼女もまたワーグナー歌いで定評がある。ヘロディアスの小姓役の山下牧子さんは細身で小柄、声もインパクトには少し欠けた。

初めて生で「サロメ」を鑑賞して、気付かされたことがいくつかあった。それは音域がとても広く、高音から低音まで鳴らす難しさ。ミュージカルで言えば、アンドリュー・ロイド・ウェバー作品のような。「7つのヴェールの踊り」でダンスをも求められるこの役は非常に難易度が高いと思われるが、ナターリア・ウシャコワはどこかセーブしながら踊っていた。このあたりが映画版や映像版のオペラと違うところだろう。最初から最後までのバランスを計算して、クライマックスへ向けてエネルギーも保つ。本当に大変なことだ。

調子がそれほどよくはないように思えても、最後までにはぴったりと持ち直す。そんな歌手の技量に触れられて感謝な灰の水曜日であった。
「生涯に一度でいいから・・」と願って観た作品だったのに、終わる頃にはまた別の演出や演奏を聴きたくなってくる。まったく芸術への欲求というのは尽きないものだ。

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July 12, 2007

映画「わたしのグランパ」

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時折、邦画に癒されたりホッとさせられる。邦画特有の静かな雰囲気や、やはり自国語の安堵感もあるのだろうか。

ずいぶん前にスカパー!で録画をしたのにずっと観られず、ようやく鑑賞。とにかく菅原文太が際だち、粋なグランパである。あまり登場しない連れ合いのグランマも美人。若い頃はさぞや美男美女カップルであっただろう。

菅原文太扮する珠子の祖父以外は、非常に「普通」で自然な登場人物のオンパレード。中学生の孫娘珠子も美しさが目立つ前の年齢だということもあってか、それほど華やかではないのがむしろ好印象。

歳を重ねてなお深みと円熟味を増すのは、本望であろう。しかし願ってみたところで、なかなかそれは叶うものではない。菅原文太は若い頃の「トラック野郎」シリーズを、それこそ小樽の祖父たちと共に観た記憶がある。あの頃の演技よりも、今の方が圧倒的な存在感である。強いて言えば、和製ショーン・コネリー!?

グランパは結果的に殺人事件を引き起こし、刑務所で必要な年月を過ごす。中学生の孫娘珠子は、恐らく会うのは初めて。最初はとまどいつつも、彼の優しさと魅力にどんどん惹かれてゆく・・。
このグランパを観ていたら、何故かイエスを思った。イエスがずっと長命だったら、人を愛するが故に刑務所に捕らえられたり、命を落とすことですらあったに違いない。

私のグランパは・・母方の祖父は、60代でガンに侵されて亡くなった。亡くなる前の最後の頃、病室で「うるさい!」と険しい表情だった祖父を今でも覚えている。それほど病が重くて、孫にきつい言葉を投げかけるほどしんどかったのだろう。
父方の祖父は、戦時中に捕らえられてシベリア抑留兵だったそうだが、比較的長生きをして天に召された。穏やかで物静かな祖父だったが、彼の苦労を自身の口から聞けることはほとんどなかった。いま私の手元には、祖父や他の抑留兵の方が綴った「スコーラ・ダモイ」という書籍が残されている。

そんな風に家族をふと思いやり、振り返る気持ちになれるよい作品である。ロケ地は栃木のようだが、栃木県境にもほど近い白河ともよく似た風景が広がっている。
音楽の話題にあえて触れるならば、グランパと珠子が参加する年末の華やかなパーティ。ここでは島田歌穂の実際のパートナーである島健氏がピアニスト役で登場して音を奏で、そしてスコットランド民謡で知られる『蛍の光』が皆で歌われている。

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June 09, 2007

ミュージカル「蝶々さん」

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東京で讃美歌委員会のあった翌日、3月に「さまよえるオランダ人」のオペラを観たときにチラシを見かけて予約していたミュージカルへ行きました♪ 島田歌穂主演の「蝶々さん」。原作は市川森一さんで、日本人の眼から見た「蝶々さん」が描かれています。こちらは思っていたよりもキリスト教の要素が強くて意外でした。そもそも主要なキャストに、メソジストの牧師夫妻アーヴィン夫妻が登場します。蝶々さんが長崎の活水学院へ行きたかった・・という話題など、学生YMCAつながりで活水の名前になじみがある者としては驚きました(笑)。

会場に到着したのはギリギリだったのですが、あちらから歩いてくるのは・・島健さん! 島田歌穂さんのパートナーで、作曲家でピアニスト。スカパー!の映像で何度かお見かけしていたので、すっかり知った気分で(笑)軽く興奮。帰りにもまた客席におられた島健さんと遭遇して、嬉しかったなぁ。
そっか、今日が初日だったのですね・・今年の春はずっと多忙だったので、チケットは押さえつつも細かいチェックをほとんど出来ないまま会場へ足を運んだのでした。r(^_^;)

島田歌穂さんは非常に安定していて、とてもよかったです。いつも思うのですが、表現力も演技力もあって、何よりピッチがとても正確。声もよく伸びます。最初から最後まで着物姿でしたが、身のこなしがとても自然で日舞でもされているのでしょうか?
アーヴィン夫妻役の二人も素晴しかった。宣教師は歌唱力抜群で、メインの語り手コレル夫人は存在感ばっちり。書生役の彼は他のキャストに比べて、経験がまだ少ないように感じました。ピッチも少し不安定。全体的には、前半よりも後半の方がどんどん引き込まれて鑑賞しました。
セットはシンプルながらも演出がそれなりに凝っていたので、見応えは充分! 作品としては中規模作品という感じでしたが、会場のTheatre1010(北千住マルイの上階)の雰囲気や規模にちょうどよくマッチしていました。

2008年1月、CS放送のスカパー!のシアターテレビジョンでも舞台が放映されました。

【出  演】
蝶々さん:島田歌穂
コレル夫人:剣幸
アービン宣教師:戸井勝海
書生(木原君):山本匠馬
ケイト夫人:小野妃香里  他

【スタッフ】
作     :市川森一
音   楽:島  健
台本・作詞:忠の仁
演   出:荻田浩一

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March 02, 2007

新国立劇場「さまよえるオランダ人」

久しぶりに新国立劇場へ。格安チケットを入手出来たので、オペラ鑑賞♪ ちょうど4月にあるコンサートの楽器下見もしたかったので、お昼前に東京へ着いて目白へ直行。マンション内某オフィスへ初めてお訪ねしました。
目白も久しぶりで、何だか見覚えのある風景・・と思ったら、前回降り立ったのは芸術劇場でのブラスバンド定期演奏会お手伝いのリハ会場が目白だったのでした。新国立劇場もその本番翌日にたまたま「ニュルンベルクのマイスタージンガー」があってチケットを取ったので、何だかそのあたりはいつもつながっていて面白いです。

4月にあるコンサートは、昨年ご自宅を新築されてから個人のお宅で時々なさっているというプライベートなもの。50名限定の有料コンサートです。前半は歌が30分で伴奏も別の演奏者。後半は電子楽器使用のオルガンソロです。今日触らせていただいて、大体のプログラムを決めました。

4/8(日) 午後4時~ イースターコンサート♪ 練馬・K氏宅にて
ダンドリュー:復活の歌「息子よ、娘よ」による変奏曲
カンプラ:リゴードン
F.リスト:ワイマールのフォルクスリート
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
Amazing Grace ほか

お昼は事務所で美味しいインドカレーをいただいて、そのまま初台へ。今日は天気もとてもよくって、花粉症の症状も出なかったし(感涙)本当に気持ちがよかったです。
今回は今まで観た中では最安値の席だったのですが、4階のいちばん上のいちばん後ろ。オーケストラ・ピットはほとんど見えませんでしたが、でも真ん中だったので舞台は割ときれいに観られました。このチケットを取った方は東大の学生さんらしいのですが、学生の頃からオペラをたくさん見ていらしてすごいなぁ。うらやましいです☆
新国立はどの席で聞いてもあまり音響の良し悪しはないし、安定していますよね。値段は海外の引っ越し公演に比べたらずいぶんリーズナブルです。大体が主要キャストの半分以上が海外で活躍している外国人歌手、日本人歌手、他は国内で活躍している方を起用するようです。

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今日の演目はワーグナーの「さまよえるオランダ人」。さまよっているのは私?と思わなくもないのですが(爆)、生では初めて観ました。予習に輸入盤の安いDVDを購入して鑑賞しておいたのですが、セットは海外の方が豪華で見応えがあります。でも今日はシンプルでしたが、やはり生は違いますね。オケは金管が時々ばらつきがあって、ちょっと残念でした。ワーグナーは目立つもんなぁ。
ソリストは皆さんとても安定していらして、特にゼンタ役のアニヤ・カンペが素晴しかった! 小さい音から大きい音までよく届いて響いていました。オランダ人役のユハ・ウーシタロ(牛太郎?)もよかったですが、個人的にオランダ人の髪型と体型が連れ合いに似ていて・・一人で受けてしまいました。ヾ(*'-'*) ウーシタロって北欧の名前らしいです。

帰りは新宿まで出てから、「そうだ、高速バスで帰るのもいいな」と思い立ったはいいもの、さて乗り場はどこだっけ? 取りあえず西口に行ってみたけれど、そちらはNさんちなどへ行く方面のバスでした。福島は・・連れ合いに電話をしたら出先で分からず、思わずSさんに電話して丁寧に教えていただきました。ありがとうございました♪
連れ合いに電話をしたのが間違いでした。
「新宿駅のどこ乗り場か覚えてる?」 「八重洲口じゃないの?」
・・それって、東京駅ぢゃ。(-_-;;) 我が家のウーシタロくん。

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December 27, 2006

ドイツオペラ

オペラにはまってからまだ5年前後。語るほど多くの作品を観たのかと言えばそうでもないし、ましてや生の舞台は年に2-3度も観られればよい方だ。
クリスマスを終えて在宅時間が増えて、PC作業をしながらスカパー!で録画してたまりまくったオペラをさらーっと眺める時間がようやく出来てきた。ウェーバーの「魔弾の射手」(日本の讃美歌にも収録されているので有名)を初めて鑑賞して、ドイツオペラの魅力を改めて気付かされた。

もちろん時代や作曲家によっても異なるが、「魔弾の射手」では比較的大柄な歌手が(ドイツ作品はワーグナーを始め、大柄歌手が多いかも!?)たっぷりと「聞かせる」演奏をする。それは生ではないのにちょっと感動するような素晴しい演奏だった。そうだ・・ドイツオペラの魅力はこれかもしれない!と改めて思った。イタリアのオペラのようなドラマティックで感情に訴えるようなものともまたちょっと違う。切々としかし知性と理性にも働きかけるような穏やかな味わいのあるオペラ作品。
フランス在住の友人サトコさんが、「ドイツのオペラはオケが素晴しい」と言っておられたが、なるほどそれもまた魅力なのかもしれない。イタリアやフランスのオペラは、オケももうちょっと大味というか自由?な気がする。

ベルリンで最後の2晩、久しぶりにオペラを鑑賞した。本場ドイツでオペラ、しかも2晩連続♪ こんな幸運は人生の中でもきっとめったにあることではなく、最初で最後になるのだろうか。いやいや・・またあることを願いたい。
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1夜目はベルリン在住の友人Yさんと、コーミッシェオペラでヨハンシュトラウス2世の「こうもり」。生では弘前オペラで一度見ただけなので、かなり楽しみだった。シュトラウス2世はオーストリアだけれど、それでもドイツでドイツ語圏のオペラ♪
コーミッシェオペラは、フランスで言えばコミックオペラと同義で、スタンダードな演出ではないそうだ。スタンダードなオペラハウスはCeciliaさんのお薦めだったのだけれど、私が多忙な間に席が埋まってしまっていた。それでも日本で見るよりも半額か1/3程度の値段で観られるのでかなり楽しみだった。
あれこれの枠がゆるーい人なので、きっとコーミッシェオペラも楽しめるだろう・・と自分なりに思っていたのだが、最初のセットの登場でちょっとあんぐり。かなり現代的で鉄骨のようなセット。「このまま最後まで行くのだろうか・・」とちょっと危惧をしたのだが、セットが移動したり回転するとそれなりに見栄えもしてやはり楽しむことが出来た。演奏自体は素晴しいというよりは、「普通によかった」という感じ。
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(「こうもり」のカーテンコール)
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翌日は、同じ歌劇場でモーツァルトの「魔笛」。モーツァルトもオーストリアだが同じドイツ語圏♪ オペラ作品の中でも人気が高い作品なので、これまたかなり楽しみだった。
が! 今度はセットはほとんどなしの超シンプルな演出。出演者は夜の女王と娘パミーナ以外は全員スーツで、モダンな演出。昨日の「こうもり」がよほどオペラらしく思えた。
でも演奏は昨日よりも全体にバランスが取れていて、どれもとてもよかった。特にパミーナは、最初は普通によかったのだがどんどん乗ってきて声が出ていく調子は、観ていても非常に面白かった。

特筆すべきは(しない方がいいのかなぁ)、コーミッシェオペラの特徴がよく分かったこと。何と「魔笛」が男性のシンボルの形をしていて、「はぁ?」だったのだ。(@_@;;; ただ形だけがヘンだったけれど、それ以外の含みは特になかったので、まぁそれぐらいなら許せるかな・・と思った。
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(「魔笛」のカーテンコール)

2006年渡独記は、こちらへどうぞ。

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October 04, 2006

キエフオペラ「トゥーランドット」

昨日は予定通りに、まずは仙台でチェンバロ(通奏低音)のレッスンを受講し、その帰りに高速バスで会津へ向かいました。久しぶりにオペラを鑑賞するためです。よく考えてみたら、1年ぶり!? 昨年9月に新国立劇場でワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を観て以来かもしれません・・。今年中にあと1回ぐらいは観られるといいのですが。

こちらで観るときは一日のみの引っ越し公演で郡山である時、大抵生協の家庭班経由で少し安めに予約します。今回申し込んだのは4月で半年前には予定がさっぱり分からなかったのですが、せっかくのプッチーニ『トゥーランドット』だったので「えい!」と思い切って申し込みました。

でも・・初めて会津で観たのですが、今回は車ではなかったのでいろいろ誤算がありました。仙台からは問題なく時間直前ぐらいにたどり着いたのですが、終演時刻と最終電車のタイミングが悪すぎました。\(- -;) 3幕公演で間に20分と30分の休憩があり。終わったら恐らく21時半を過ぎたでしょう。しかし郡山方面への最終電車は21時前に出てしまいます・・。
せっかくだし会津に1泊しようかも迷ったのですが、明日からは弘前だし朝にはどうしても頼まれた用事があったので帰らなければなりません。連れ合いに頼めなくはないのですが、私がいた方がベター。ということで、残念ながら2幕が終わってから帰宅することにしました。
『トゥーランドット』はプッチーニの遺作で未完の大作です。私も未完了観劇になってしまいました。...;(*_*;)ゞ また次の機会をぜひ楽しみに♪

会場は会津の風雅堂。以前ゴスペルクワイヤのコンサートで一度行ったのみ。思ったよりも響かなくて、響きはもしかしたら郡山市民会館(?)の方がよいかもしれません。ただ会場がものすごく広くはないので、オペラグラスがなくても近くで鑑賞できるのはありがたいです。
演奏はキエフオペラ。日本初来日だそうです。オケが独特の透明度と濁りがあってよい感じです。「展覧会の絵」などが似合いそうな。歌手はソプラノのトゥーランドット役が素晴しかったです。カラフ役のテノールもいい声でしたが、オケの音響にたまに消されることがあってもったいなかった。合唱はとてもよいですね。さすがキエフ(ウクライナ)です!
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やっぱりスカパー!で鑑賞する10倍ぐらいはよいです。オーケストレーションもメロディも、1回ですっと身体の中に吸収されるような感じ。2幕の途中で帰宅したとしてもね。(^-^)ノ゛

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映像では予習に、中国の紫禁城で行われた壮大なプロジェクト版を観ました! 以前にスカパー!で録画したものです。これはメイキングもあって、指揮はズビン・メータ、演出は映画監督でもあるチャン・イーモウ、歌手陣はバーバラ・フリットーリ等が出演しています。絢爛豪華で素晴しいですよ♪

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August 28, 2006

ガーシュイン「ポーギーとベス」

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ようやく全編を見終えることが出来た。なかなか時間が取られずに1/3で鑑賞がストップしていたのだが、いざ見始めたらストーリーも面白くて一気に見てしまった上にもう一度再鑑賞したくなった!

ガーシュインの音楽は、どこかアンドリュー・ロイド・ウェバーのそれにも通ずるものがある。メロディックで一度耳についたら離れない。あの有名な「サマータイム」を始め(3-4度繰り返し歌われる)、スピリチュアル(黒人霊歌)・JAZZ・ブルース・ゴスペルまでも感じさせるような黒人音楽とそして黒人の生活や文化・歴史をも体感できる名作である。聞いているうちに、これはオペラなのかミュージカルなのか一瞬分からなくなるのだが、それはあまり重要なことではない。

先日ヤナーチェクの「グラゴル・ミサ」をスカパー!で鑑賞し、オペラ「利口な女狐の物語」でも味わったチェコ的とも言える独特の声質とメロディを再確認した。「ポーギーとベス」では、そのアメリカ黒人音楽的とも言える旋律と声質が味わえる。主要登場人物の男性二人が低音というのも個人的には嬉しい。女性ソプラノ二人は、たとえばキャスリーン・バトルやバーバラ・ヘンドリクスのような細く切ない、そして美しい声質の歌手を起用している。

3時間の作品の中で特に心に残るのは、葬儀をメインに苦難・絶望などのシーンだ。公民権運動のドキュメンタリーにも何度も登場する、迫害や差別の結果生じてしまった「葬儀」のシーン。黒人故に味わわされた地べたにもっとも近いところでの困窮する生活。そこでは神さまや天国のみが唯一の希望で救いだった・・。それらも含めて非常によく描かれている名作である。ぜひ生の舞台でも鑑賞したいものだ。

関連データをいくつか
■「ポーギーとベス」のストーリー詳細  関連でこちらも面白かった
■Summertimeの歌詞とMIDI
■Summertimeのピアノアレンジ譜(PDFファイル)
■アマゾンで見つけたよさげなディスク
■私の持っているのは、ジョン・ルイスのピアノ(バッハの平均律のJAZZ版がシブイ)が好きなのでこちら

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April 17, 2006

「ナビィの恋」

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沖縄の粟国島が舞台の邦画「ナビィの恋」を観た。知人のweb日記に書かれていたので、観たいなぁと思っていたらちょうどスカパー!の邦画チャンネルで放映されたのだ。それにしても、最近決して派手ではないのだが質のよい邦画作品が増えているように思える。

観光化されていない粟国島で起こる日常と非日常。島出身の奈々子が東京から疲れて里帰りをする。幼なじみのケンジや一人旅で気ままな福之助(学生YMCAには、こんな学生が多いかも)。そして奈々子のおじぃとおばぁ。若い俳優がよい意味で存在感が薄れるほど、おじぃやおばぁ、島の人々のキャラクターが豊かだ。
おばぁの平良とみさんは、ちゅらさんを始め今ではすっかり全国区のかわいい沖縄のおばぁで知られている。

美しい沖縄の風景や60年を超えて一人の男性を愛し続けるひたむきなおばぁの恋愛もさることながら、音楽の豊かさに心を奪われた。2月にカンテレ(フィンランドの民族楽器)のLIVEに足を運んで以来、民族音楽への興味が増している。この映画はそんな今の私にはぴったりだった。しかも驚いたことに、実にさり気ないのだが小さな足踏みリードオルガンも登場していた! ヴァイオリン(フィドル?)や太鼓、パーカッションとの即興やアンサンブル。
愛してるランド(アイルランド)から来たオコーナーは、アイリッシュらしくアイルランドダンスを踊りながら弦を奏でているし、全体に流れる三線はやわらかく人々の生活に密接だ。

三線を思うとき、いつも津軽三味線を想い出す。両者はある意味で対極である。平和的で青い海の上をどこまでもわたっていくかのような優しい音色の三線に対して、まるで真冬の厳しい地吹雪を思わせる津軽三味線。強いバチでさばかれる音色から聞こえる低音は独特のものだ。津軽三味線の音色からは、津軽弁が聞こえる。「ベベン ベン! じょんから じょんから・・じょっぱり じょっぱり・・」

島の歌手・麗子の存在と役柄も面白かった。三線をバックに歌うカルメンの「ハバネラ」は圧巻。カルメンの原作はロマ族の女性がモデルなので、都市圏の洗練された女性が歌うよりもこちらの方がむしろイメージにより近いのかも知れない。沖縄ラテンとも言える明るい力強さは、イタリアのそれにも重なっていく頼もしさ。「ピアノ・レッスン」でも知られるマイケル・ナイマンが音楽を担当していたことも嬉しい裏切りだった。
沖縄の風と音色が部屋の中にまでさわやかに吹き込んでくるような・・そんな作品である。

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