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May 22, 2004

モーツァルト「フィガロの結婚」

イタリア・スポレートオペラ
指揮:アメデオ・モネッティ
演出:ルーチョ・ガブリエーレ・ドルチーニ
アルマヴィーア:ロドリーゴ・エステヴェス
伯爵夫人:ソフィア・ミトゥロプロス
フィガロ:フランチェスコ・ヴェルナ
スザンナ:マウラ・メンギーニ
ケルビーノ:サラ・ビアッキ
パントマイム:クラツィアーノ・シルチ

初めて「フィガロ」を観たのは、弘前でだった。アリアや曲数曲は知っていたけれど、ほとんど予備知識もなしに観てしまったので、正直「この話は・・なに?」とちょっとびっくりしたのも事実。f(^_^) オペラ評論家の永竹由幸さんが、ある本で「『フィガロの結婚』は乱交パーティです」と書かれていたものを後で読んだが、妙に納得できる。
でも何度かいろいろな「フィガロ」を観ていくうちに、がぜん面白くなってきた。オペラならではの突拍子もなさや強引なストーリーもあるにはあるけれど、演出が違ったり演奏者が違うとそれぞれに味わい深い。
ロッシーニの「セビリヤの理髪師」は、ストーリーとしては「フィガロ」よりも前の話。まだ結婚前のアルマヴィーア伯爵と、若きフィガロが出てくる。先日ようやく「セビリヤ」も観れたので、話の続きが以前よりも理解出来て面白かった。ドン・バジーリオが「フィガロには復讐をしてやる!」と歌うシーンなど、セビリヤを想い出して「なるほど~」つながった。

「フィガロ」の演奏で個人的にいちばんは、今までは1976年版だった。プライ、フレーニ、フィッシャーディスカウ、カナワ・・と豪華キャストの共演。映画版で見応え抜群! 
このスポレートオペラの演奏は、それとは対照的にごくシンプルで庶民的。でもそれがとてもよかった。モーツァルトが生きていた時代、もしかしたらこんな庶民的な上演も多くあったかもしれないなぁ。
スポレートオペラは、若きオペラ歌手の登竜門的要素があってこのコンクールで優勝して世界へ羽ばたいた歌手が多くいるという。以前ガルッピの「田舎の哲学者」を観た時は、あまりスポレートオペラのよさが分からずに、それよりはオケのピッチのずれがどうしても気になってしまったのだが・・今回のフィガロはアップテンポで、3時間弱で終っている。たいていが3時間を超える上演が多いだろうから、これは驚きだ。
歌手たちはアップテンポなのにとても自然に歌っているのだが、あれはかなり高度な技術を要するのだろう。感服!

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May 15, 2004

皇妃エリザベート

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マンガ「皇妃エリザベート」 名香智子 原作:ジャン・デ・カール
 監修・解説=塚本哲也(講談社)
「皇妃エリザベート ハプスブルクの美神」 カトリーヌ・クレマン
 監修=塚本哲也(知の再発見双書 創元社)

オーストリアはまだ旅したことがない。音楽の都として知られるウィーンやモーツァルトにゆかりのザルツブルクなど、世界の人々を魅了する都市である。でもどこか私にとっては豪華過ぎるような気がして、まだ機会もなかったしいつか訪れてはみたかったのだが、それほど関心をひく都市ではなかった。
3月か4月に、弘前の古本屋でコミック版「エリザベート」を見つけて何となく気になったので購入してみた。恥ずかしながら、それまでまったくエリザベートのことは知らなかったし、特に関心もなかった。しかし読み進めていくうちに彼女を取り巻く時代背景と、そして身分制の時代に生きた彼女の「自由」への限りない憧れに惹きこまれる。
オペラとの話題でからめると当時のオーストリアは19世紀末芸術が円熟期を迎えた頃であり、ワーグナーの信奉者としても知られるルードヴィヒ2世はエリザベートの親類でもあった!

コミックだけでは物足りずに、画像が豊富なことでも知られる「知の再発見双書」シリーズを、アマゾンのユーズドで購入した。この2冊の本を読んだだけでも、シシィ(エリザベート)をめぐる世界的な動きや歴史がよく分かり、ハプスブルク帝国や他の国々との関連などが非常に面白かった。シシィがオーストリア皇妃であった当時、イタリアはオーストリアの支配下にありやがて独立をしていく。作曲家ヴェルディの時代とまったく重なる。

誰もが憧れるであろうオーストリア皇妃の座についたシシィは、その地位を決して望んではいなかった。むしろ愛する父親と乗馬で駆け巡ったバイエルンの山々で、自由に生活する方が彼女にはふさわしかったのだ。一人の女性の選択の余地がほとんどない人生を知って、「彼女の痛みを本当に分かることが出来るのは、日本では皇族の美智子さんや雅子さんかもしれない・・」とふと思った。
キリスト教の信仰を持つ私にとって、日本の天皇制は賛成できるものではないのだが、何故かその二人を想い起こした。そしてその後間もなく皇太子による皇室や宮内庁へ対する批判のようなものが報道され、あまりのタイミングにしばし驚かされた。

シシィは今だに人々をとらえ続けている。ミュージカル「エリザベート」や映画など、リソースにはこと欠かない。機会があればそれらもぜひ鑑賞したいものである。

▼シシィ関連サイト
 シェーンブルン宮殿公式サイト

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May 09, 2004

Musical「ふたり」

赤川次郎原作のミュージカル。
最近少し時間がある時や気分転換に、映画も観ずにオペラを観ているのでMusicalを観たのも久しぶりだった。この前1月に仙台で、劇団四季の「CATS」を観て以来かな??

この「ふたり」は以前録画したのにまだ観ていなかったのだが、最初観始めたら少ししんどく感じてしまった。どうしてかな・・・と思ったら、おそらくそれは発声法や歌い方だったのかもしれない。オーディションで選ばれたと思われる高校生世代の女の子たちの、エネルギッシュでパワフルな演技。それは熱演のほどが伝わってきたのだが、いざ歌の場面になるとモーニング娘的な発声法(?)が個人的になじまなかった。しかし最後まで観ていくうちに、舞台のテンポのよさに次第に引き込まれて最後には涙してしまった・・。主演の姉妹を演ずる二人はさすが!の圧巻。「よく体が動くなぁ」と、お○さんっぽい感想を持つ(笑)。
http://www.amuse.co.jp/futari2003/

ただやはりこの作品は音楽作品としての素晴らしさよりは、舞台としての素晴らしさの方が上をいっているかもしれない。舞台演出はとても上手く、シンプルな舞台を様々な場面に見せることに成功している。
最後まで観てネットで少し調べて気付いたら、このストーリーは大林宣彦監督の「ふたり」と同じ内容だった! 個人的には映画の方が好きかなぁ。映像の方が幻想的にもしやすいものね。あぁ、また「ふたり」の映画も久しぶりに観たくなったな。 ▼関連サイトはこちら

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May 04, 2004

ドニゼッティ「愛の妙薬」

原作:スクリーヴ「惚れ薬」
ガエターノ・ドニゼッティ フェリーチェ・ロマーニ
ネモリーノ:ロベルト・アラーニャ
アディーナ:アンジェラ・ゲオルギュー
ドゥルカマーラ:シモーネ・アライモ
ベルコーレ:ロベルト・スカルトリティ
ジャンネッタ:エレーナ・ダン
リヨン国立劇場管弦楽団&合唱団
指揮:エヴェリーノ・ピド

ドニゼッティの作品を初めて観た。彼の作品は、過去にフルート作品を何曲か聴いたことがある。
原作が「惚れ薬」というので、すぐに「トリスタンとイゾルデ」を連想したが、実際にオペラの中でもそれに触れていたのでちょっと驚いた。この作品は喜歌劇なので、基本的にとてもライト。アディーナ(ゲオルギュー)ひとすじの男性、ネモリーノ(アラーニャ)。彼女の愛を得るために、行商に来た怪しい薬屋から「惚れ薬」を買ってしまうのだが、実はそれはただのワインだった・・。

全体的にライトな作風がとても心地よい。ちょっと疲れた時に観ると、元気になれるかも♪ おバカっぽくなりがちなストーリーなのに、ドニゼッティの楽曲がそれをやんわりと避けている。オペラ界きっての有名カップル、ゲオルギュー&アラーニャ夫妻。さすがに息はぴったり! アラーニャは素朴な農夫の役を好演。彼の出演するオペラは初めてだったが、フランス人の彼はイタリアの歌手よりもよい意味で気張って歌わないので、軽々と歌うのがとても自然で心地よかった。キャスティングは、どれもよくマッチしている。
リヨンオペラでの上演だったが、リヨンオペラの演出はどこか北フランスのパリよりも明るく、色にたとえると黄色かオレンジに感じるのは地理的にやはりイタリアに近いからだろうか?

http://www2.yamaha.co.jp/himekuri/view.html?ymd=20010512

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