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October 15, 2004

ドーヴェルニュ「とりかえ結婚」

アントワーヌ・ドーヴェルニュ(1713~1797)のオペラブッファ
ラ・フォンテーヌの寓話よりジョゼフ・ヴァード
マルゴ:マリー・ジョゼ・サンシエッツ(ソプラノ)
ファンション:マリー・ヘレン・ティント(ソプラノ)
リュバン:ギュスターヴォ・ベルエート(テノール)
リュカ:ルイス・アルバレツ(バリトン)
ロンドン・バロック・ダンス・シアターによる舞踏手及び管弦楽団
指揮:ステファン・プレストン
収録:1983年ルガノ・オペラ(アスコーナ音楽祭)/仏語

結婚を間近に控えた2組のカップル。結婚に憧れる女性たちとは対照的に、男性たちはどこか憂鬱そう。「本当にこの人でよいのだろうか、他にもいい人がいるのでは?」・・いわゆるマリッジ・ブルー!?
リュカとリュバンは、こともあろうに自分たちの恋人を交換することを思いつく。「彼女の方がもっといいはずだ!」。しかしその結果は・・。
実際にあったら不愉快極まりないが(笑)オペラ・ブッファだと軽く観れてしまうのがよいところ。

ストーリーはほのぼのと素朴な話なのだけれど、この作品を通して自分はフランス文化がいかに好きなのかがよく分かったような気がした。フランス語のセリフやバレエなど、さり気ないフランス風エスプリがあちこちに表れていて、それら全てが心地いい。フランスのオペラやオペレッタは、イタリアやドイツのそれとはまた一味違う。フランス語の発音のようにモゴモゴで、小粋にふわっとレースの飾りのよう。

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October 11, 2004

Musical「A Little night Music」

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1976年製作、日本未公開 監督:イングマール・ベルイマン
作詞:作曲:スティーヴン・ソンドハイム 演出:ハル・プリンス
主演:エリザベス・テイラー

大学もコンサートの準備も全てが全開で、例年以上に忙しい秋を迎えている。
なかなかゆったりとオペラを観る時間が取れないのだが、小粋なミュージカルを観ることが出来た。それも日本未公開のMusical映画で主演は何とリズ・テイラー! 全体に軽い作品だが、どこかシュトラウスのオペレッタにも似て心地よくさえ感じた。作詞・作曲のソンドハイムは、「ウェストサイドストーリー」の作詞家だと言う。音楽のボリュームは思ったほど多くなかったが、同じメロディが上手に何度か登場している。(こちらで曲の視聴が出来ます)
配役がとてもよかった。18歳の女性と再婚するダンディな弁護士フレデリック、チャーミングな18歳の妻、司祭を志すフレデリックの息子エリック、そしてリズ演じるデジレ・アームフェルトは舞台女優、彼女の恋人は軍人で、その妻は夫の不貞に悩み苦しむ・・というストーリーなのだが、最初の設定と登場人物のバランスが次第に変わり交錯して行く様子が面白い。デジレの実母と娘役の二人も脇役ながら光っている。

物心ついてリズの存在を知ったのはいつだったろうか? 「また再婚」という話題で、映画専門誌で読んだような気がする。若くて今よりもさらに美しかった頃の彼女を知らない私には、不思議なおばさんに見えた。
今自らが30代も半ばを迎えようとして改めてこの作品を見ると、18歳の若い妻と比較されているデジレに何故か親近感を覚えてしまった。もちろんリズ(デジレ)の方がずっと年齢は上なのだけれど、少しずつ体力と若さが衰えていく中でなおも残る魅力、年齢を重ねていくが故の輝きがあるとすればそれは何だろう・・。
軽い作品ではあったが全体に視覚にも美しいヨーロッパ風の風景や調度品が多く、映画「クレオパトラ」を観た時には彼女の美しさに見とれまたそれ故の距離もあったのだが、今回は今までにない親近感をリズに感じながら観たのであった。

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October 01, 2004

「ラ・ツィンガラ」

リナルド・デ・カブア作曲のオペラブッファ
編曲:ルチアーノ・スグリッツイ
ニーザ:フランカ・ジロネス(ソプラノ)
タリアボルセ:マリオ・ガルリン(テノール)
カリカンテ:エンリコ・フィエゾーレ(バリトン)
ザッデオ:アントニオ・ボイネス
スイス・イタリア放送管弦楽団
指揮:エドウィン・レーラー

ロマ族(いわゆる「ジプシー」)を扱ったオペラは、意外に多い。有名なところではヴェルディの「トロバトーレ」。中世の吟遊詩人トゥルベールと貴族、そしてロマの一族が登場する。ビゼーの「カルメン」もまさにロマ族女性が主人公だし、他の作品でも脇役でさり気なくロマの占いが登場するシーンは時折観られる。

この「ラ・ツィンガラ」はロマの兄と妹が頭を使って貴族をだまし、結局妹は貴族と結婚して幸せになる・・という話なのだが、ロマ族の歩みや長い差別の歴史を少しでも知っているものには、複雑な思いを抱く内容だ。
観終わって、「あぁ、本当にジプシーってこうだよね」と意味もなく納得してしまわないように、それだけはぜひ避けたいものだ。彼らが人をだましたりすることが実際にあったとしても、では何故そうしなければならなかったのか、長い差別と苦悩の歴史を学んで理解していかなければならない。
ユダヤ人とは別の意味で民族として長い差別を受けている一方で(第2次大戦下ユダヤ人のホロコーストの悲劇では、ロマ族の人々も被害に遭っている!)、芸術や文化には多大な影響を与えているロマ族の人々。「ジプシー音楽」と呼ばれるジャンルは見逃せないものだし、フラメンコはロマ族にもルーツがあるそうだ。

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