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January 12, 2005

フィルムオペラ「ディドとエネアス」

chan0586
1689年パーセル作曲
ディド:Maria Ewing
エネアス:Karl Daymond
Belinda:Rebecca Evans
Sorceress:Sally Burgess

英国を代表する偉大な音楽家、パーセルが残した唯一のオペラ作品をフィルムオペラで観た。元は女学校での上映が目的だったため全部で1時間足らずの短い作品だったが、始まりの優美さや喜びから一変、終わりは哀しい結末だった・・。
パーセルは共和政府を樹立したクロムウェルが没した翌年に生まれ、36歳の若さでこの世を去る。ウェストミンスター寺院や王室礼拝堂のオルガニスト、国王付き音楽家も務めている。以下の文章は、1706年に出版された歌集の序文からの引用。『作曲者の、音楽のあらゆる分野における創作の才能は既に周知の事実であるが、彼の声楽曲はもっともすぐれているイタリアのそれに匹敵している。彼は英語という言葉の持っているエネルギーを最大に表現する天才であり、その扱いは卓越していて、聞く人に感動と尊敬を感じさせずにはおかない』(ヘンリー・プレイフォード)

パーセルの作品に初めて自覚的に向き合ったのは、恐らく昨年のコンサートだろう。古楽が専門のソプラノの絵里さんと初めてのジョイントの際、彼女が選曲した中に2曲のパーセル作品があった。私が何よりも驚いたのは、英語と音符の密接でなおかつ自然な関係だった。英語は、こんなにも美しく音楽に合うのだ・・と再認識させてくれたのは、他ならぬパーセルさま♪

オペラのストーリーは、古代ローマの詩人ヴェルギリウスの叙事詩「アイネイアス」に基づく、カルタゴの女王ディドとトロイアの王子エネアスの悲しい恋物語。 一夜限りの愛に終ってしまい愛する人を失ったディドは、哀しみのあまり命を落としてしまう。「えっ、死んでしまうの!?」と思わず画面を見ながら声を上げたのは、アダンのバレエ「ジゼル」を観て以来かもしれない。ジゼルもまったく予備知識なしに観たので、主人公が命を落とすことにあ然とした。

ディドが死の直前に切々と歌う哀しいアリア・・ジョニー・デップ主演の映画「耳に残るは君の歌声」でも何度も登場した「When I am laid in earth 私が土の中に横たえられる時」を聴いて、衝撃が走った。この曲はこのシーンで歌われるものだったのか!?
「耳に残るは~」でユダヤ人少女フィゲレがピュアな声で歌い上げるさまやロマ族の音楽とからんでいく様子もとてもよかったけれど、死の直前のアリアはさらに深い哀しみに覆われている。
いつかソプラノの絵里さんとこの曲も演奏したいな・・と以前は思っていたのだけれど(楽譜も先日いただいた)、もう少し深めてディドの死に至るまでの絶望と嘆きを実感出来ないと、私にはもったいない曲なのかもしれない。そんな発見を出来たことも、また大きな学びだった。

関連サイトはこちらこちら(※歌詞へのリンクもこちらのサイト)
曲はこちら(9曲目)とこちらで視聴できます

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