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April 17, 2006

「ナビィの恋」

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沖縄の粟国島が舞台の邦画「ナビィの恋」を観た。知人のweb日記に書かれていたので、観たいなぁと思っていたらちょうどスカパー!の邦画チャンネルで放映されたのだ。それにしても、最近決して派手ではないのだが質のよい邦画作品が増えているように思える。

観光化されていない粟国島で起こる日常と非日常。島出身の奈々子が東京から疲れて里帰りをする。幼なじみのケンジや一人旅で気ままな福之助(学生YMCAには、こんな学生が多いかも)。そして奈々子のおじぃとおばぁ。若い俳優がよい意味で存在感が薄れるほど、おじぃやおばぁ、島の人々のキャラクターが豊かだ。
おばぁの平良とみさんは、ちゅらさんを始め今ではすっかり全国区のかわいい沖縄のおばぁで知られている。

美しい沖縄の風景や60年を超えて一人の男性を愛し続けるひたむきなおばぁの恋愛もさることながら、音楽の豊かさに心を奪われた。2月にカンテレ(フィンランドの民族楽器)のLIVEに足を運んで以来、民族音楽への興味が増している。この映画はそんな今の私にはぴったりだった。しかも驚いたことに、実にさり気ないのだが小さな足踏みリードオルガンも登場していた! ヴァイオリン(フィドル?)や太鼓、パーカッションとの即興やアンサンブル。
愛してるランド(アイルランド)から来たオコーナーは、アイリッシュらしくアイルランドダンスを踊りながら弦を奏でているし、全体に流れる三線はやわらかく人々の生活に密接だ。

三線を思うとき、いつも津軽三味線を想い出す。両者はある意味で対極である。平和的で青い海の上をどこまでもわたっていくかのような優しい音色の三線に対して、まるで真冬の厳しい地吹雪を思わせる津軽三味線。強いバチでさばかれる音色から聞こえる低音は独特のものだ。津軽三味線の音色からは、津軽弁が聞こえる。「ベベン ベン! じょんから じょんから・・じょっぱり じょっぱり・・」

島の歌手・麗子の存在と役柄も面白かった。三線をバックに歌うカルメンの「ハバネラ」は圧巻。カルメンの原作はロマ族の女性がモデルなので、都市圏の洗練された女性が歌うよりもこちらの方がむしろイメージにより近いのかも知れない。沖縄ラテンとも言える明るい力強さは、イタリアのそれにも重なっていく頼もしさ。「ピアノ・レッスン」でも知られるマイケル・ナイマンが音楽を担当していたことも嬉しい裏切りだった。
沖縄の風と音色が部屋の中にまでさわやかに吹き込んでくるような・・そんな作品である。

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