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July 12, 2007

映画「わたしのグランパ」

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時折、邦画に癒されたりホッとさせられる。邦画特有の静かな雰囲気や、やはり自国語の安堵感もあるのだろうか。

ずいぶん前にスカパー!で録画をしたのにずっと観られず、ようやく鑑賞。とにかく菅原文太が際だち、粋なグランパである。あまり登場しない連れ合いのグランマも美人。若い頃はさぞや美男美女カップルであっただろう。

菅原文太扮する珠子の祖父以外は、非常に「普通」で自然な登場人物のオンパレード。中学生の孫娘珠子も美しさが目立つ前の年齢だということもあってか、それほど華やかではないのがむしろ好印象。

歳を重ねてなお深みと円熟味を増すのは、本望であろう。しかし願ってみたところで、なかなかそれは叶うものではない。菅原文太は若い頃の「トラック野郎」シリーズを、それこそ小樽の祖父たちと共に観た記憶がある。あの頃の演技よりも、今の方が圧倒的な存在感である。強いて言えば、和製ショーン・コネリー!?

グランパは結果的に殺人事件を引き起こし、刑務所で必要な年月を過ごす。中学生の孫娘珠子は、恐らく会うのは初めて。最初はとまどいつつも、彼の優しさと魅力にどんどん惹かれてゆく・・。
このグランパを観ていたら、何故かイエスを思った。イエスがずっと長命だったら、人を愛するが故に刑務所に捕らえられたり、命を落とすことですらあったに違いない。

私のグランパは・・母方の祖父は、60代でガンに侵されて亡くなった。亡くなる前の最後の頃、病室で「うるさい!」と険しい表情だった祖父を今でも覚えている。それほど病が重くて、孫にきつい言葉を投げかけるほどしんどかったのだろう。
父方の祖父は、戦時中に捕らえられてシベリア抑留兵だったそうだが、比較的長生きをして天に召された。穏やかで物静かな祖父だったが、彼の苦労を自身の口から聞けることはほとんどなかった。いま私の手元には、祖父や他の抑留兵の方が綴った「スコーラ・ダモイ」という書籍が残されている。

そんな風に家族をふと思いやり、振り返る気持ちになれるよい作品である。ロケ地は栃木のようだが、栃木県境にもほど近い白河ともよく似た風景が広がっている。
音楽の話題にあえて触れるならば、グランパと珠子が参加する年末の華やかなパーティ。ここでは島田歌穂の実際のパートナーである島健氏がピアニスト役で登場して音を奏で、そしてスコットランド民謡で知られる『蛍の光』が皆で歌われている。

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