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April 17, 2011

愛のイエントル

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スカパー!で見かけたときに、設定に驚きしかもMusical! 改めて鑑賞した。

舞台は20世紀初頭の東欧ユダヤ人社会。家事よりも学ぶことが大好きな女性イエントルは、周囲には内緒で愛する父にタルムード(ユダヤ教の教え)を教わっていた。
当時のユダヤ人社会は特に役割分業がはっきりとしている。女性が学ぶなんてとんでもない。愛する父を天国へ送ったイエントルは、なんと男装して男として大学で学ぶのだった・・。

オープニングは、まるで「屋根の上のヴァイオリン弾き」を思い起こさせるような典型的なユダヤ人社会。主要な登場人物はそれほど多くはないが、男装したイエントル(=アンシェル)はボーイッシュでチャーミングだし、友人で後にイエントルが恋をするアビグドゥも知的さとセクシーさを併せ持ってとても魅力的。

音楽はミシェル・ルグラン。強いインパクトを持つ曲はあまりないけれど、全体的に美しく自然に音楽が流れている。ユダヤ人社会の様子もかいま見られるユニークな作品。イエントルを演ずるバーブラ・ストライサンドの歌唱力、特にラストは素晴らしい。
VHSしかないのがとても残念。

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April 01, 2011

映画「友だちのうちはどこ?」

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キアロスタミ監督作品を観たのは、おそらく初めて。彼の名前を聞いたのは、当時住んでいた小さな街で開催された映画祭。「キアロスタミが旬だよ」と教えてくれた彼女は、あるカルト団体のメンバーだった。今はどうしているのだろうか・・。

とても素朴なストーリーである。映像も派手ではないのだが、妙に惹きつけられる。そして現代の話であるはずなのに、時折イエスの時代やその周辺のような錯覚に何度も襲われた。歳を重ねた老いた男性とのやりとりや少年のひたむきさ、ひたすら友だちの家を探し回る様子など、監督が意図していたのかはわからないがとてもイエスっぽくてキリスト教的メッセージまで感じ取ってしまった。
私たちの周辺では失われてしまった何かが、この作品には確かに描かれている。

ラストがまたほのぼのする。なお、登場人物はパゾリーニの「奇跡の丘」と同じく、いわゆる素人だそうだ。

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