February 08, 2008

新国立劇場「サロメ」

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オペラにはまったのは、関西の知人がベストチョイスでビデオやDVDを貸してくださったことがきっかけだった。当時ヨーロッパ旅行に3年連続で行くことがかない、「せっかくヨーロッパへ行くなら、本場でオペラでも・・」という軽い気持ちがすっかりはまった。
彼女のお薦めがとてもよかったし、ヨーロッパの劇場が素晴しかったなど様々な幸運が重なった故だと思う。

リヒャルトシュトラウス作のオペラ「サロメ」も恐らくMさんのチョイスで、テレサ・ストラータス主演のビデオを観た。美しく小悪魔的な魅力でこちらを惑わす。義父のヘロデではなくても誘惑されてしまうだろう。このビデオが大変よく、また官能的でさえあるリヒャルトシュトラウスの楽曲にも飲み込まれるようにはまった。
関連作品もいろいろ試した。オスカー・ワイルドの原作(戯曲)はもちろん、Mさんお薦めの塩野七海氏の「サロメの乳母の話」、コミックでは牧美也子の「サロメ」、連れ合いの勧めで星野之宣「妖女伝説」。映像では「オスカー・ワイルド」、ケン・ラッセルの「サロメ」、フラメンコではアイーダ・ゴメスの「サロメ」、演劇はスティーブン・バーコフの「サロメ」。絵画ではモロー・・など、私がちょっと手を出しただけでもずいぶんとある。枚挙にいとまがない。
退廃的・官能的とも言える19世紀末芸術に何故これほどまでに惹かれるのだろうか。一言付け加えるならば、「サロメ」はこれほどまでに悪女であったかどうかは定かではないようである。後世の脚色の方が多いのだとか。

「生涯で一度でいいから、ぜひ観たい」と願ってはいたが、今春密かに計画をしていたヨーロッパ旅行が延期になり何かオペラでも・・とネットで調べていたら、新国立劇場でのサロメ公演! 安めの席はほぼ埋まっていて、その時点で安めの席で残っていたのは水曜日。教会暦では「灰の水曜日」と言って、受難節(レント)に入る日だった。受難節にサロメ!?と少々気がひけたが、このタイミングを延ばす手はなかったので予約をした。

何度か映像では観ていたし、授業でも紹介したりするので特に予習も復習もしていかなかった。拍手をする間もないままに、突然楽曲が始まった。いきなり作品に引きずり込まれたのだが、この作品は休憩なしの1幕で1時間40分。最後まで息をこらして鑑賞した。

サロメは少し経ってから登場する。義父のヘロデ王の誕生日の宴席から逃れて。義父の自分を見つめるまなざしの怪しさに辟易としている。サロメ役のナターリア・ウシャコワの演奏は最初はそれほど素晴しくはなかった。それなりにはよいのだけれど、思ったほどではない。しかしこの歌手は案外すごいのかもしれない。その時によくない調子をどんどん合わせて、結果的に最後のモノローグとも言える大事なシーンでは、もっともよく声を鳴らし堂々としたサロメを演じていた。

今回何と言っても素晴しかったのは、ヨハナーン(バプテスマのヨハネ)である! ジョン・ヴェーグナーというバリトン。セットは前方真ん中に大きな井戸のような穴があって、ヨハナーンはそこに幽閉されている。最初は穴の中から声がするのだが、穴の中の声でさえ麗しい美声で全身の登場が非常に待ち遠しかった。
そして、サロメに懇願されて牢から出されるヨハナーン。見た目も大柄で見栄えがよく、これ以上はないかも!と思えるほどヨハナーンにふさわしい美声だった。洗礼者ヨハネというよりは、イエスのような気高さもあった? ワーグナー作品などもぴったりだろう。

全体的に男声の安定感とよさが目立った。ヘロデ役のヴォルフガング・シュミットもまるでお手本のようなヘロデだったし、ヘロディアスは以前から個人的に大好きな小山由美さん。彼女もまたワーグナー歌いで定評がある。ヘロディアスの小姓役の山下牧子さんは細身で小柄、声もインパクトには少し欠けた。

初めて生で「サロメ」を鑑賞して、気付かされたことがいくつかあった。それは音域がとても広く、高音から低音まで鳴らす難しさ。ミュージカルで言えば、アンドリュー・ロイド・ウェバー作品のような。「7つのヴェールの踊り」でダンスをも求められるこの役は非常に難易度が高いと思われるが、ナターリア・ウシャコワはどこかセーブしながら踊っていた。このあたりが映画版や映像版のオペラと違うところだろう。最初から最後までのバランスを計算して、クライマックスへ向けてエネルギーも保つ。本当に大変なことだ。

調子がそれほどよくはないように思えても、最後までにはぴったりと持ち直す。そんな歌手の技量に触れられて感謝な灰の水曜日であった。
「生涯に一度でいいから・・」と願って観た作品だったのに、終わる頃にはまた別の演出や演奏を聴きたくなってくる。まったく芸術への欲求というのは尽きないものだ。

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March 02, 2007

新国立劇場「さまよえるオランダ人」

久しぶりに新国立劇場へ。格安チケットを入手出来たので、オペラ鑑賞♪ ちょうど4月にあるコンサートの楽器下見もしたかったので、お昼前に東京へ着いて目白へ直行。マンション内某オフィスへ初めてお訪ねしました。
目白も久しぶりで、何だか見覚えのある風景・・と思ったら、前回降り立ったのは芸術劇場でのブラスバンド定期演奏会お手伝いのリハ会場が目白だったのでした。新国立劇場もその本番翌日にたまたま「ニュルンベルクのマイスタージンガー」があってチケットを取ったので、何だかそのあたりはいつもつながっていて面白いです。

4月にあるコンサートは、昨年ご自宅を新築されてから個人のお宅で時々なさっているというプライベートなもの。50名限定の有料コンサートです。前半は歌が30分で伴奏も別の演奏者。後半は電子楽器使用のオルガンソロです。今日触らせていただいて、大体のプログラムを決めました。

4/8(日) 午後4時~ イースターコンサート♪ 練馬・K氏宅にて
ダンドリュー:復活の歌「息子よ、娘よ」による変奏曲
カンプラ:リゴードン
F.リスト:ワイマールのフォルクスリート
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
Amazing Grace ほか

お昼は事務所で美味しいインドカレーをいただいて、そのまま初台へ。今日は天気もとてもよくって、花粉症の症状も出なかったし(感涙)本当に気持ちがよかったです。
今回は今まで観た中では最安値の席だったのですが、4階のいちばん上のいちばん後ろ。オーケストラ・ピットはほとんど見えませんでしたが、でも真ん中だったので舞台は割ときれいに観られました。このチケットを取った方は東大の学生さんらしいのですが、学生の頃からオペラをたくさん見ていらしてすごいなぁ。うらやましいです☆
新国立はどの席で聞いてもあまり音響の良し悪しはないし、安定していますよね。値段は海外の引っ越し公演に比べたらずいぶんリーズナブルです。大体が主要キャストの半分以上が海外で活躍している外国人歌手、日本人歌手、他は国内で活躍している方を起用するようです。

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今日の演目はワーグナーの「さまよえるオランダ人」。さまよっているのは私?と思わなくもないのですが(爆)、生では初めて観ました。予習に輸入盤の安いDVDを購入して鑑賞しておいたのですが、セットは海外の方が豪華で見応えがあります。でも今日はシンプルでしたが、やはり生は違いますね。オケは金管が時々ばらつきがあって、ちょっと残念でした。ワーグナーは目立つもんなぁ。
ソリストは皆さんとても安定していらして、特にゼンタ役のアニヤ・カンペが素晴しかった! 小さい音から大きい音までよく届いて響いていました。オランダ人役のユハ・ウーシタロ(牛太郎?)もよかったですが、個人的にオランダ人の髪型と体型が連れ合いに似ていて・・一人で受けてしまいました。ヾ(*'-'*) ウーシタロって北欧の名前らしいです。

帰りは新宿まで出てから、「そうだ、高速バスで帰るのもいいな」と思い立ったはいいもの、さて乗り場はどこだっけ? 取りあえず西口に行ってみたけれど、そちらはNさんちなどへ行く方面のバスでした。福島は・・連れ合いに電話をしたら出先で分からず、思わずSさんに電話して丁寧に教えていただきました。ありがとうございました♪
連れ合いに電話をしたのが間違いでした。
「新宿駅のどこ乗り場か覚えてる?」 「八重洲口じゃないの?」
・・それって、東京駅ぢゃ。(-_-;;) 我が家のウーシタロくん。

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December 27, 2006

ドイツオペラ

オペラにはまってからまだ5年前後。語るほど多くの作品を観たのかと言えばそうでもないし、ましてや生の舞台は年に2-3度も観られればよい方だ。
クリスマスを終えて在宅時間が増えて、PC作業をしながらスカパー!で録画してたまりまくったオペラをさらーっと眺める時間がようやく出来てきた。ウェーバーの「魔弾の射手」(日本の讃美歌にも収録されているので有名)を初めて鑑賞して、ドイツオペラの魅力を改めて気付かされた。

もちろん時代や作曲家によっても異なるが、「魔弾の射手」では比較的大柄な歌手が(ドイツ作品はワーグナーを始め、大柄歌手が多いかも!?)たっぷりと「聞かせる」演奏をする。それは生ではないのにちょっと感動するような素晴しい演奏だった。そうだ・・ドイツオペラの魅力はこれかもしれない!と改めて思った。イタリアのオペラのようなドラマティックで感情に訴えるようなものともまたちょっと違う。切々としかし知性と理性にも働きかけるような穏やかな味わいのあるオペラ作品。
フランス在住の友人サトコさんが、「ドイツのオペラはオケが素晴しい」と言っておられたが、なるほどそれもまた魅力なのかもしれない。イタリアやフランスのオペラは、オケももうちょっと大味というか自由?な気がする。

ベルリンで最後の2晩、久しぶりにオペラを鑑賞した。本場ドイツでオペラ、しかも2晩連続♪ こんな幸運は人生の中でもきっとめったにあることではなく、最初で最後になるのだろうか。いやいや・・またあることを願いたい。
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1夜目はベルリン在住の友人Yさんと、コーミッシェオペラでヨハンシュトラウス2世の「こうもり」。生では弘前オペラで一度見ただけなので、かなり楽しみだった。シュトラウス2世はオーストリアだけれど、それでもドイツでドイツ語圏のオペラ♪
コーミッシェオペラは、フランスで言えばコミックオペラと同義で、スタンダードな演出ではないそうだ。スタンダードなオペラハウスはCeciliaさんのお薦めだったのだけれど、私が多忙な間に席が埋まってしまっていた。それでも日本で見るよりも半額か1/3程度の値段で観られるのでかなり楽しみだった。
あれこれの枠がゆるーい人なので、きっとコーミッシェオペラも楽しめるだろう・・と自分なりに思っていたのだが、最初のセットの登場でちょっとあんぐり。かなり現代的で鉄骨のようなセット。「このまま最後まで行くのだろうか・・」とちょっと危惧をしたのだが、セットが移動したり回転するとそれなりに見栄えもしてやはり楽しむことが出来た。演奏自体は素晴しいというよりは、「普通によかった」という感じ。
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(「こうもり」のカーテンコール)
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翌日は、同じ歌劇場でモーツァルトの「魔笛」。モーツァルトもオーストリアだが同じドイツ語圏♪ オペラ作品の中でも人気が高い作品なので、これまたかなり楽しみだった。
が! 今度はセットはほとんどなしの超シンプルな演出。出演者は夜の女王と娘パミーナ以外は全員スーツで、モダンな演出。昨日の「こうもり」がよほどオペラらしく思えた。
でも演奏は昨日よりも全体にバランスが取れていて、どれもとてもよかった。特にパミーナは、最初は普通によかったのだがどんどん乗ってきて声が出ていく調子は、観ていても非常に面白かった。

特筆すべきは(しない方がいいのかなぁ)、コーミッシェオペラの特徴がよく分かったこと。何と「魔笛」が男性のシンボルの形をしていて、「はぁ?」だったのだ。(@_@;;; ただ形だけがヘンだったけれど、それ以外の含みは特になかったので、まぁそれぐらいなら許せるかな・・と思った。
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(「魔笛」のカーテンコール)

2006年渡独記は、こちらへどうぞ。

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March 27, 2006

オペラ「後宮からの逃走」

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最初の感想は、一言「ブッシュに見せたい!」
週末に久しぶりにオペラを2本ほど自宅鑑賞しました。1つはケルビーニ作の「メデーア」で、ギリシャ悲劇がベース。もう1つはモーツァルトの「後宮からの逃走」です。今日はモーツァルトの方をご紹介しますね。私が観たのはこちらです。

モーツァルト作品、まだ全部は観ていなくて「偽の女庭師」「フィガロの結婚」「魔笛」「ドン・ジョヴァンニ」「バスティアンとバスティエンヌ」をこれまでに観ました。
今回初めての「後宮からの逃走」。後宮はいわゆる「ハーレム」です。アラビアン・ナイトによって西欧の人々が想像力と妄想たくましく働かせたらしいハーレム。タイトルから受ける印象なのか、今まであまり興味がなくて観ていませんでした。そう言えば仙台出身のソプラノ歌手・菅英三子さんは、この作品でプラハの歌劇場でヨーロッパデビューされたんでしたっけ。

たまたまメイキングとも言える「Behind the Stage モーツァルトinターキー」という番組を観て、大まかなオペラのストーリーが分かり(イスタンブールの王宮で録画されていました)、半年も前に録画していた映像をようやく観たのです。
想いのほかよかった・・そしてラストは、某アメリカのブッシュ大統領に見せたいほど素晴しかった!

ヨーロッパとイスラム圏の争いや戦いは、「十字軍遠征」をあげるまでもなく長く根強いものがあります。未だに私たちも、キリスト教=(結婚式でキリスト教が流行るように)かっこいい、イスラム教=よく分からない=怖いといったような短絡的な図式を描きがちです。キリスト教徒の責任も大きいですよね。自戒を込めつつ・・。

ストーリーは、あるスペインの貴族が恋人をトルコのハーレムにさらわれてしまいます。彼女を助けるべくトルコに向かうのですが・・。
何故『ブッシュに見せたい!』と思ったかというと、太守があまりにもかっこよかったからなのです。モーツァルトの時代、トルコ文化が流行った時期がありました。例えばモーツァルト自身も「トルコ行進曲」などを作っていますよね。ウィーンが一時トルコに制圧され、圧倒的なトルコの文化や芸術にヨーロッパの人々は触れました。

恋人を助けに来たスペインの貴族は、実はトルコの太守の宿敵の息子だったのです! それを知って太守は怒りに燃えます。しかし・・。
ラストの台詞が大変感動的です。

不正をするのがお前の家系の特徴だ。
私はお前の父親を憎む。だからこそ同じ真似はすまい。
大いなる喜びなのだ。
不正を悪行で報復するより、善行で報いる方が!
少なくともお前は父親よりも人間的になろう

復讐ほどひどいことはない
それに対して人間的で善良で
私欲を抑えて許すことは
ただ偉大な心のみが できること!

ブッシュさん、この台詞を聞きなさい!
報復の連鎖は悲劇のみを生み出し、生命は決して生み出さないよ・・。
「恩を仇で返す」のではなく、言うなれば「仇を恩で返した」のです。それをヨーロッパ人ではなくてトルコ人に言わせたことに、どこかモーツァルトらしさを感じます。
彼は宮廷や貴族と言ったこれまでの封建社会に辟易としていた。パトロンがつかないで自活する道を選択し、それ故に若くして命を落としてしまったのですが、非常に進歩的で自由人だったのでしょう。まだ時代が彼には追いつかなかった・・。

メロディも大変美しく、モーツァルトが結婚するための収入を得るために書いた作品だとも言われ、主人公も自分の妻と同じコンスタンツェで恐らく彼が人生でもっとも幸せな恋愛をしていた頃なのでしょう。その若さと喜びがあちこちにはち切れんばかりです。
ミュージカル映画「オペラ座の怪人」日本公開時、作曲者A・ロイドウェバーの紹介は『現代のモーツァルト』でした。この作品を観ていたら、にわかにその台詞がよみがえりました。確かにそうだ! 一度耳についたら頭から離れないメロディラインは、両者に共通しています。

彼の作品は天上の音楽のように美しく、時に美しすぎてこれまで取り立てて私の興味をそそるものではありませんでした。でもモーツァルトの素晴らしさがもっともよく表現されているのは、もしかしたらオペラかもしれません。そこには俗っぽさや人間っぽさがあふれんばかりに躍動している。彼がどんなに民衆を愛し、民衆のための音楽を書きたかったのかが今なお生き生きと伝わってくるようです☆

オペラって、最初はちょっと敷居が高く感じられるかもしれませんが、要するにワイドショーだと思うとよいかも!
サン・サーンスの「ヘンリー8世」などは、まさに彼の離婚問題がそのまま作品化されています。この理由も面白いですよ。フランスでは当時オペラを作品化するにあたり、どうしても身近な人物のゴシップは発禁にならざるを得なかったようですが(そりゃそうだ・・)、英国なら宗派が違う(カトリックではなくて、プロテスタント)ので比較的好き勝手に描いてもヴァチカンからもノープロブレムだったそうな。r(^_^;) とっても人間くさい話題ですよね~。

演奏はエヴァ・メイもパトリシア・チョーフィももちろん文句なしに素晴しかったけれど、ぴかいちはオスミン役のクルト・リドゥルです。圧倒的な低音とコミカルな演技に惚れました・・♪ あのコミカルさで、実はワーグナー歌いというのも驚き。レパートリーがかなり広いのですね。

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December 30, 2005

この秋の鑑賞メモ

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超多忙な秋と冬もようやく落ち着き、気がつけば今年もあと二日ばかりとなりました。
自宅鑑賞もなかなかままならない日々でしたが、それでもいくつかは観ることが出来たので取りあえずのメモです。また後日、アップしますね~。

9/26 新国立劇場にて 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
 文句なしに素晴らしかった! 会場もなかなかですね。
「蝶々夫人」ハイライト スロバキアオペラ イイノホール ネットで知り合ったイラストレーターさんのお誘いで。実は蝶々夫人を観るのは、ハイライトにしてもこれが初めての舞台でした!
プラハ歌劇場 「アイーダ」郡山にて 一日のみの地方公演・・しかしソリストが本当に素晴らしく、これぞオペラ~♪を充分堪能しました。ちゃんと後ろまで声がびんびん届くのです。うっとり。合唱のボリュームはちょっと薄かったかな?

スカパー!放映の録画
プーランク「声」 釜洞祐子さん この方は見た目も大変美しい。
ミヨー「哀れな水夫」 知人の作曲家がミヨーに師事されていますが、確かに共通点を感じました。とても自然な話し言葉のように音楽が聞こえる小オペラでした。
「蝶々夫人」 ダニエラ・デッシー 昨年NHKホールでの録画。かなり変わった演出や衣装ですが(男性陣は革ジャンを着ている!)でも個人的には結構好きかも。
他にもハードディスクにはたくさん録画済み。観る時間がなかったのです・・。
ヘンツェの「ルプパ」がとても気になっています。今年知り合った作曲家さんの作風と、どこか重なる部分があるのです。じっくり鑑賞しなければ。

また思い出したら、随時追加しますね。
先ほど、7月に注文したDVDとCDがようやく到着! DVDは海外用ですがヴェルディの「ナブッコ」です。観るのが楽しみだなぁ。
ではでは皆さま、どうぞよいお年をお迎えくださいませ☆

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September 06, 2005

ワーグナー「ローエングリン」

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非常勤の仕事が始まるまで、ほんの少し時間があるこの頃です。9/25のコンサート準備モードに入りつつ、たまりまくっているオペラの鑑賞が捗ります! お庭の手入れをしながら、疲れたらオペラを眺めています。
昨日と今日で、ワーグナーの「ローエングリン」を見終えました。実はワーグナーのオペラ作品、全部を観たのは初めてかもしれません・・。何せ作品が長い! 大体4時間前後ですから、普通の作品の1.5~2倍。それにヒトラーとの関連や反ユダヤ主義のことなども個人的には大変ひっかかっていて、作品自体の魅力は感じつつもなかなか全編を観ることは出来なかったのでした。

ローエングリンは、きっとどなたでもご存知のあの曲があります。そう・・結婚行進曲の「婚礼の合唱」です! よく知られていることですがこの曲は実はとても俗っぽくて(教会音楽ではない)、しかもオペラの結末は悲劇なので本当は結婚式ではあまりふさわしくないのですよね。

以前もドイツのオペラ劇場の同作品を録画したのですが、それはちらちらと必要なシーンを流して観たぐらいでした。今回は東京シティフィルオーケストラル公演(手前にオケ=オケピとは違う。奥に舞台)で、前に「神々の黄昏」も同じオケで録画したように思います。→まだ未視聴 
ソリストは全て日本人でしたが、なかなか堪能できました。でもワーグナー作品の歌手って、何故かびっぐばでぃが多いような・・気のせいなのでしょうか!? 主役のエルザを演じた緑川さんは美しいお顔でしたが、日本人としてはかなりふくよかな体型。ヨーロッパ人にも匹敵しそうです。r(^_^;) ローエングリンを演じた成田さんは身長があって素敵でした。ただ個人的には、この作品には声が明るいようにも感じましたが・・。
何と言っても主役の二人をしのいでいたのは、悪女オルトルートを演じていた小山由美さん。演技力も歌唱力も素晴らしい! 見終わった後に少し検索したら、ワーグナーゆかりのバイロイトにも出られているそうで実に納得です。ワーグナーの「ワルキューレ」で有名な「ワルキューレの騎行」がありますが(こちらの記事がちょっと笑えました)、まさにあのシーンにもぴったりの声質でした。あまりによかったので、彼女が出演される9/26の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」をふらふらと予約してしまいました。安い席ですけれど・・。

ワーグナー作品、4時間は長いかな・・と思ったのですが、そんなことはありませんでした。実に作品の完成度が高くて、まったく飽きることもなく集中して演奏を味わいました。台本も音楽もさすがによく構成されています。
ワーグナーは、やはり麻薬で媚薬!?

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July 15, 2005

チェコ国立ブルノ歌劇場「カルメン」

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今週の火曜日、仙台での委員会やレッスンの帰りに、何度目かの郡山市民会館へ出かけました。生まれて初めてオペラ「カルメン」を観るためです♪

チケットは東京よりもずいぶんリーズナブルで嬉しい限り♪ 私はA席でしたが定価が7000円で(東京だと5000円増し?)、生協で購入したのでさらにもう少し安かったです。 11月の「アイーダ」も、また生協で買いたいです☆

先日の公演、短く感想を書きますね。

カルメン ヴィクトリア・マイファトヴァ
 細身で美しいカルメンでした。あと少し声量があってもよいかも・・。
ドン・ホセ イワン・ホウペニトゥフ
 お上手なのですが、ちょっと声が明るすぎるのとビブラートが多いので・・個人的には気になりました。でも後半はとてもよかったです。
ミカエラ ダグマル・ジャルドゥコヴァー
 カルメンと同等かもっとよかったかも! でもミカエラの清楚さはあまり出ていませんでしたが。r(^_^;)
エスカミーリョ ドミトリー・グリシン
 格好良かったのですが、あと少し声量が欲しいかも。
スニーガ ヤン・フラディーク
 個人的にはいちばんよかったです♪ もっと聞きたかった。
メルセデスとフラスキータは、どちらもよく高音が出て目立っていました。
レメンダード ゾルターン・コルダ
 彼もすごくよかったです。今回は脇役の歌手が光っていました。

今回、実は生のカルメンは初めてでした。普段はスカパー!やDVD・ビデオで鑑賞しています。
今まで観たカルメンは1)メトロポリタン歌劇場 指揮:ジェームス・レヴァイン カルメン:アグネス・ヴァルツァ ホセ:ホセ・カレーラス、2)指揮:カルロス・クライバー カルメン:エレナ・オブラスツォワ ホセ:プラシド・ドミンゴ、3)カルメン:アンネ・ゾフィー・フォン・オッター、(グラインドボーン音楽祭)、4)指揮:ベルナルド・ハイティンク カルメン:マリア・ユーイングなどです。
それぞれに女性、特にカルメンの描き方が異なるのが面白いところ。アメリカの演出では、非常に自立した女性に感じたし(むべなるかな! 対してホセは情けなかった・・)、ドミンゴ版はゼッフィレッリの演出で、脇役などの細かな人物描写が素晴らしい。オッターのカルメンはかなりお下品なのですが、それがまたよいのです! ユーイング版はオペラを観る直前の予習で観ましたが、会話などがとても丁寧。お陰で今回カットされた部分も、すぐに分かりました。
大抵演出は男性がすることが多いのでしょうけれど、知らず知らずにその人の女性観が反映されるのが面白さと怖さなのかも知れません。r(^_^;) 映画で言うと、「タイタニック」などで知られる監督のジェームズ・キャメロンがそうかな?

今回のブルノ歌劇場版はバレエ「ボレロ」付だったのですが、それを入れるためなのか、微妙に台詞などのカットがありました。4幕の前に演じられたバレエは素晴らしかったです! かなりお得感が・・☆
生のオペラは年に2-3回観られればよい方ですが、またLIVEならではのドキドキ感をぜひ味わいたいものです。
カルメ~ン♪ →違

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March 25, 2005

モーツァルト「魔笛 サーカス版」

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La Flute Enchantee(Cirque)
考案:クロード・サンテッリ、アレクシス・グリュース
演出:ベルナール・ブロカ
タミーノ:ドミニク・モラレス パミーナ:アリア・レイ=ジョリー
パパゲーノ:エフゲニー・アレクシエフ
夜の女王:ジョーン・ユーバンク
ザラストロ:ジョゼフ=ミゲル・リボー
パパゲーナ:ラレンカ・オアロ
コロン管弦楽団&合唱団 指揮:アンドレアス・ストール

普段モーツァルトをはじめ、いわゆる古典派の音楽を聴くことは少ない。古典派時代のオルガン作品は極端に少ないことも遠因だろうか(モーツァルト、ベートーヴェン、ハイドンらはそれぞれに自動演奏オルガンのための小品を残している)。モーツァルト作品は確かに美しいのだけれど、今まで取り立てて私のハートをつかむものではなかった。でももしかしたら、モーツァルトは個人的にはオペラ作品がいちばん好きかもしれない。
遅まきながら、モーツァルトの「魔笛」を観ることが出来た。しかもサーカス版! この直前に恐らくドイツ版らしいものを少し観ていたのだけれど・・これがまぁ何とも「忠実に再現」していて、演奏はよかったのだけれど、セットや演出が今ひとつあか抜けていなかった(ドイツの皆さん、ごめんなさい)。その直後に観たせいか、このサーカス版は非常に面白かった。しかも歌はもちろんドイツ語なのだが、語りの部分がフランス語! フランス大好きな私にはとっても嬉しくありがたかった♪ 演奏はフランス風なのか、微妙にそろっていなかったりして(フランスの皆さん、ごめんなさい)それも何だかご愛嬌だった。

この「魔笛」には想い出がある。まだ小学生の頃、いわゆる「芸術鑑賞教室」のようなもので体育館で数人の歌手の演奏を聴いた。その時にこの「魔笛」のパパゲーナとパパゲーノのアリアが入っていた。派手なセットも衣装もなくてほぼ歌だけだったのだけれど、その時の語りや歌は今でもまぶたに焼き付いている。幼い頃の記憶と体験というのは、とっても大切なものなのかもしれない。

全編を通して観て驚いたのは、有名な夜の女王のアリア。「ラソラシ♭ ドドドドドドドド ファ~、ファミファソ ララララララララ レ~♪」というあのフレーズである(こちらでMIDIを聴けます)。超高音でソプラノにとっては難曲であるだろうが、歌詞の意味を知りもしないで何となく印象としては歓喜にあふれた曲なのかなぁ・・と漠然と思っていたのだが、実は大違い!(このあたりは、映画「アマデウス」のシーンが焼きついているのかも) 夜の女王の怨念に満ちた復讐を誓う曲なのである。夜の女王もどちらかと言うと悪役に描かれていたし、後でもう少し丁寧にテキストや原作のあらすじを追ってみたいと思う。→いつも予備知識なしで観る人・・

演奏はどれもよかったが、特にパパゲーノのエフゲニー・アレクシエフとザラストロのジョゼフ=ミゲル・リボーが絶品。アレクシエフはフランス語での語りの部分もお茶目でそそっかしいパパゲーノをコミカルに演じ、リボーは格調高く存在感と美声をアピールしていた。神話の世界のイシスやオシリスは、ヴェルディの「アイーダ」にも描かれている。衣装はさり気なく日本のテイストも取り入れられていて、よく観るとザラストロの部下たちは日本の神官のようだったり、タミーノも日本の帯らしきものをしめていて面白かった。
サーカス版は思ったほど派手で華麗な演出ではなかったが、しかしサーカスの舞台で円形を用いながらの演出はやはり珍しく、親子連れが多くて気軽にオペラを楽しんでいた様子も日本ではあまり観られないので少しうらやましくもあった。

魔笛関連サイト 1) 2) 3)

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February 24, 2005

モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」

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1954年8月 フェルゼンライトシューレ、ザルツブルク
指揮:フルトヴェングラー ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
ドン・ジョヴァンニ:チェーザレ・シエピ、レポレロ:オットー・エーデルマン、
ドンナ・エルヴィラ:リザ・デラ・カーザ、ドンナ・アンナ:エリーザベト・グリュンマー
ドン・オッターヴィオ:アントン・デルモータ、騎士長:デジュー・エルンスター、
マゼット:ヴァルター・ベリー、ツェルリーナ:エルナ・ベルガー

ストーリーはとんでもなく好色な男性の話なのに、メロディが美しいのはやはりモーツァルトだからか。過去に何本か観たのだが、スカパーで録画したこちらのバージョンが秀逸! 特にチェーザレ・シエピのドン・ジョヴァンニが素晴らしい。他のドン・ジョヴァンニはどこか嫌らしさが表現されている場合が多いのだが、シエピは違うのだ。決して若いわけではないのに、むしろ大人の魅力がたっぷりで貴族らしいエレガントさも兼ね備えていて、彼ならまさに理想の(?)ドン・ジョヴァンニそのもの。「こんな男性にならだまされても・・」とちらっと思えなくもない(笑)。

フルトヴェングラーの演奏は初めて聞いたのだけれど、他の指揮者に比べて重々しく、しかしこの作品にはぴったりだった。この演奏は全体に男性歌手が素晴らしい。甘くつややかな歌声・・それはドン・ジョヴァンニのみならず、レポレロや騎士長役も然り。女性歌手もいいのだけれど、男性が群を抜いている。

シエピは以前、ミレッラ・フレーニとのデュオコンサートを映像で観た。こんなにすごい人だったとは・・! またあのビデオを探して観てみよう♪

関連サイト 1) 2)

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December 10, 2004

ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラ 《ドン・ジョヴァンニ》

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ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラ
渋谷Bunkamuraオーチャードホール
ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場管弦楽団&合唱団
指揮者:カイ・ブーマン
ドン・ジョヴァンニ:アンジェイ・クリムチャック
ドンナ・アンナ:マルタ・ヴィウォマンスカ
レポレッロ:ブグダン・シリーヴァ
ドンナ・エルヴィラ:ゾフィア・ヴィトコフスカ
ドン・オッターヴィオ:トマシ・クシシツァ
騎士長:ピョートル・フフェドロヴィチ
マゼット:スビグニェフ・デンプコ
ツェルリーナ:ユスティナ・ステンピェン

日本で字幕付のオペラを観たのは、実は初めてだったかもしれない。と言うことは、これまで日本語上演をそれも数本しか観ていないのだ。
今年の秋・冬はコンサートの機会が多く、本当に時間がない日々を過ごしている。そんな中ある用事で大学の先輩に数年ぶりに連絡を取ったら、何とオペラに誘われた! チケットもくださるというありがたい申し出に、いそいそと東京日帰りをした(笑)。

モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」はスカパーで録画をして2-3本ほど観たことがあった。ストーリーはいわゆる好色なドン・ファンの話で女性と見たらほおってはおけないかわいそうな(?)男性の話。一説には、モーツァルトの「フィガロの結婚」で登場するケルビーニが後のドン・ファンだとも言われている。ラストシーンでドン・ファンは地獄へ落ちるのだが、このあたりはゲーテの「ファウスト」をほうふつとさせるものがある。

今回の上演はポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場の公演。ポーランドがどの程度オペラが盛んなのか残念ながら知らないのだが、その演奏は確かにポーランドらしいとも感じた。つまりイタリアのような華やかさやドイツのような重厚さ、フランスのような優美さではなく、自然体の演奏と言えばいいのだろうか。セットはほとんどなくて視覚的に物足りなくはあったが、その分衣装は豪華だった。
演奏はドン・ジョヴァンニ役のアンジェイ・クリムチャックとレポレッロ役のブグダン・シリーヴァが際立っていた。ドンナ・エルヴィラ役のゾフィア・ヴィトコフスカも、きらりとした脇役を演じる。他の歌手たちはそれなりによかったのだが、声質が細い人が多かったような気がする。席がかなり前だったので、近くで観劇できたのは本当に幸い♪ ラスト近くで「ドン・ジョヴァーンニ」と歌うバスの歌手の声が、質はよいのだけれどボリュームが少し足りなくて残念。

モーツァルトは特別大好きではないのだけれど、今回は旋律を存分に堪能した。それに何故かロッシーニの「セビリヤの理髪師」を思い浮かべることがあった。出演していた歌手たちは、セビリヤも合いそうだったなぁ。
オケの演奏は上質で心地よかった。ただモーツァルトで「ドン・ジョヴァンニ」ということを考えると、また違った演奏もありうるのかもしれない。少しエレガントすぎる気がしないでもない。
感想はいくらでもあるのだが、何よりも生で観たのは昨年のパリ以来久しぶりでそれだけでもかなり満足度が高かった。Wさん、ありがとうございます。またご一緒しましょう~!!

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