October 23, 2009

永遠のマリア・カラス

Callasforever

永遠のマリア・カラス (DVD) 2005
フランコ・ゼフィレッリ
ファニー・アルダン, ファニー・アルダン, ジェレミー・アイアンズ, ジョーン・プローライト

※2005年に書いたものですが、未アップだったので載せますね♪

以前から観たい映画でした。
前はカラスの歌声の魅力について、正直よく分かっていなかったのだと思います。そうたくさんは聞いていないけれど、取り立てて私の耳を引く演奏ではありませんでした。

カラスへの理解度が増したのは、映画「フィラデルフィア」を観てからです。ゲイの主人公トム・ハンクスが発病に苦悩するまさにそのシーンで、カラスの歌声がかかります。それが、何と主人公の痛みとマッチしていたことでしょう!
カラスの歌声は、非常に人間的な熱いメッセージを持っていたのでした・・。

全盲の歌手アンドレア・ボチェッリの歌声も、もしかしたらどこかカラスの歌声とリンクする点があるのかもしれません。彼の声は美声というよりはとても個性的で、そして人間らしい魅力を秘めているように思います。

この映画はカラスと親しくしていたゼッフィレッリが、カラスへの追悼も込めて作成したもの。フィクションもノンフィクションも織り交ぜられているそうです。
ゼッフィレッリはオペラの演出も数多く手がけ、また映画も格調高く美しい作品が多いです。「じゃじゃ馬ならし」「ロミオとジュリエット」「ブラザー・サン、シスター・ムーン」(聖フランチェスコを描いたもの)などなど。

カラスを演ずるファニー・アルダンは、顔が特にカラスに似ているわけではないのに、時にものすごくカラスらしさが醸し出されていてはっとさせられました。ディーバの雰囲気を堂々と演じています。
プロモーター役のジェレミー・アイアンズは、先日観た「Mバタフライ」もなかなかよかったですが、本作品ではゲイとして描かれています。不思議な魅力を持つ俳優です。

公式サイト http://www.gaga.ne.jp/callas/

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August 28, 2006

ガーシュイン「ポーギーとベス」

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ようやく全編を見終えることが出来た。なかなか時間が取られずに1/3で鑑賞がストップしていたのだが、いざ見始めたらストーリーも面白くて一気に見てしまった上にもう一度再鑑賞したくなった!

ガーシュインの音楽は、どこかアンドリュー・ロイド・ウェバーのそれにも通ずるものがある。メロディックで一度耳についたら離れない。あの有名な「サマータイム」を始め(3-4度繰り返し歌われる)、スピリチュアル(黒人霊歌)・JAZZ・ブルース・ゴスペルまでも感じさせるような黒人音楽とそして黒人の生活や文化・歴史をも体感できる名作である。聞いているうちに、これはオペラなのかミュージカルなのか一瞬分からなくなるのだが、それはあまり重要なことではない。

先日ヤナーチェクの「グラゴル・ミサ」をスカパー!で鑑賞し、オペラ「利口な女狐の物語」でも味わったチェコ的とも言える独特の声質とメロディを再確認した。「ポーギーとベス」では、そのアメリカ黒人音楽的とも言える旋律と声質が味わえる。主要登場人物の男性二人が低音というのも個人的には嬉しい。女性ソプラノ二人は、たとえばキャスリーン・バトルやバーバラ・ヘンドリクスのような細く切ない、そして美しい声質の歌手を起用している。

3時間の作品の中で特に心に残るのは、葬儀をメインに苦難・絶望などのシーンだ。公民権運動のドキュメンタリーにも何度も登場する、迫害や差別の結果生じてしまった「葬儀」のシーン。黒人故に味わわされた地べたにもっとも近いところでの困窮する生活。そこでは神さまや天国のみが唯一の希望で救いだった・・。それらも含めて非常によく描かれている名作である。ぜひ生の舞台でも鑑賞したいものだ。

関連データをいくつか
■「ポーギーとベス」のストーリー詳細  関連でこちらも面白かった
■Summertimeの歌詞とMIDI
■Summertimeのピアノアレンジ譜(PDFファイル)
■アマゾンで見つけたよさげなディスク
■私の持っているのは、ジョン・ルイスのピアノ(バッハの平均律のJAZZ版がシブイ)が好きなのでこちら

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January 12, 2005

フィルムオペラ「ディドとエネアス」

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1689年パーセル作曲
ディド:Maria Ewing
エネアス:Karl Daymond
Belinda:Rebecca Evans
Sorceress:Sally Burgess

英国を代表する偉大な音楽家、パーセルが残した唯一のオペラ作品をフィルムオペラで観た。元は女学校での上映が目的だったため全部で1時間足らずの短い作品だったが、始まりの優美さや喜びから一変、終わりは哀しい結末だった・・。
パーセルは共和政府を樹立したクロムウェルが没した翌年に生まれ、36歳の若さでこの世を去る。ウェストミンスター寺院や王室礼拝堂のオルガニスト、国王付き音楽家も務めている。以下の文章は、1706年に出版された歌集の序文からの引用。『作曲者の、音楽のあらゆる分野における創作の才能は既に周知の事実であるが、彼の声楽曲はもっともすぐれているイタリアのそれに匹敵している。彼は英語という言葉の持っているエネルギーを最大に表現する天才であり、その扱いは卓越していて、聞く人に感動と尊敬を感じさせずにはおかない』(ヘンリー・プレイフォード)

パーセルの作品に初めて自覚的に向き合ったのは、恐らく昨年のコンサートだろう。古楽が専門のソプラノの絵里さんと初めてのジョイントの際、彼女が選曲した中に2曲のパーセル作品があった。私が何よりも驚いたのは、英語と音符の密接でなおかつ自然な関係だった。英語は、こんなにも美しく音楽に合うのだ・・と再認識させてくれたのは、他ならぬパーセルさま♪

オペラのストーリーは、古代ローマの詩人ヴェルギリウスの叙事詩「アイネイアス」に基づく、カルタゴの女王ディドとトロイアの王子エネアスの悲しい恋物語。 一夜限りの愛に終ってしまい愛する人を失ったディドは、哀しみのあまり命を落としてしまう。「えっ、死んでしまうの!?」と思わず画面を見ながら声を上げたのは、アダンのバレエ「ジゼル」を観て以来かもしれない。ジゼルもまったく予備知識なしに観たので、主人公が命を落とすことにあ然とした。

ディドが死の直前に切々と歌う哀しいアリア・・ジョニー・デップ主演の映画「耳に残るは君の歌声」でも何度も登場した「When I am laid in earth 私が土の中に横たえられる時」を聴いて、衝撃が走った。この曲はこのシーンで歌われるものだったのか!?
「耳に残るは~」でユダヤ人少女フィゲレがピュアな声で歌い上げるさまやロマ族の音楽とからんでいく様子もとてもよかったけれど、死の直前のアリアはさらに深い哀しみに覆われている。
いつかソプラノの絵里さんとこの曲も演奏したいな・・と以前は思っていたのだけれど(楽譜も先日いただいた)、もう少し深めてディドの死に至るまでの絶望と嘆きを実感出来ないと、私にはもったいない曲なのかもしれない。そんな発見を出来たことも、また大きな学びだった。

関連サイトはこちらこちら(※歌詞へのリンクもこちらのサイト)
曲はこちら(9曲目)とこちらで視聴できます

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April 29, 2004

プッチーニ「ラ・ボエーム」

演出・指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏:ミラノスカラ座管弦楽団&合唱団
ミミ:ミレッラ・フレーニ
ムゼッタ:アドリアーネ・マルティーノ
ロドルフォ:ジャンニ・ライモンディ
マルチェルロ:ローランド・パネライ 1967年

作曲者もオペラのタイトルもとても有名なのに、観ていない作品がまだまだたくさんある。この「ラ・ボエーム」もそのうちの1つだろう。プッチーニの代表作に数えられる。
ストーリーは、パリの屋根裏で過ごす芸術家のたまごたちの切なくも心は豊かな・・物語。今はお金がないけれど、夢だけは大きく!という未来のアーティストばかり。そういう意味ではこの作品を演じる歌手たちは、どちらかと言うと若い声楽家がぴったりなのかもしれない。フレーニが出ているこの版は若い演奏家はあまり多くなかったが、ゆりかもめさんが先日若い演奏家バージョンを貸してくださった。そちらを観るのも、楽しみである♪

個人的なこだわりとしては、せっかくパリの話なのでイタリア語ではなくぜひフランス語版を聞いてみたい! 日本でも海外の作品を「邦訳」して上演することがあるのだから、フランスでもそういうことしていないかなぁ。

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April 09, 2004

ヴェルディ「椿姫」

「椿姫」の作品を観るのは、これで3作目。
1本目はオペラの友人ゆりかもめさんが貸してくださったゲオルギュー、レオ・ヌッチ、指揮はショルティのもの。ゲオルギューが可憐で繊細なビオレッタを熱演。ショルティの晩年の指揮も素晴らしかった。
2本目はスカパー放映のヴェルディ100年祭の舞台で、ヴィオレッタ:ダリーナ・タコーヴァ、アルフレード:ジュゼッペ・サッバティーニだった。これは大道具が非常にイタリアらしく、赤い家具が印象的。演奏も全体にイタリア色が強く出ていて、熱演のほどが伝わってきた。

そして3本目がテレサ・ストラータスとドミンゴの共演、監督・脚本・美術がフランコ・ゼフィレッリ(1982年)の超豪華な映像版! ただひたすら豪華で、歌はもちろんのこと大道具も小道具も素晴らしい。
ストラータスは細身で小柄なのに、歌い始めるとかなり迫力がある。その点ではゲオルギューの方がはかない歌い方をしていたかもしれない。どちらも個性なので、それぞれに魅力的だ。

先日観た「カルメン」もゼフィレッリの演出だったが、過去の名作ではあの「ロミオとジュリエット」、聖フランチェスコを描いた「ブラザー・サン、シスター・ムーン」、エリザベス・テーラーの「じゃじゃ馬ならし」、最近は映画「永遠のマリア・カラス」でも知られている。まだ観ていないので、ぜひ観たい!!
彼はこの「椿姫」の後20年経って、新たに「椿姫」を手がける。
こちらも早く観てみたいなぁ。詳細はこちらのサイトへどうぞ。
http://www.hmv.co.jp/news/newsDetail.asp?newsnum=304230054
椿姫とヴェルディの話は、こちらのサイトへ。
http://www2.yamaha.co.jp/himekuri/view.html?ymd=19991010

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