May 15, 2004

皇妃エリザベート

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マンガ「皇妃エリザベート」 名香智子 原作:ジャン・デ・カール
 監修・解説=塚本哲也(講談社)
「皇妃エリザベート ハプスブルクの美神」 カトリーヌ・クレマン
 監修=塚本哲也(知の再発見双書 創元社)

オーストリアはまだ旅したことがない。音楽の都として知られるウィーンやモーツァルトにゆかりのザルツブルクなど、世界の人々を魅了する都市である。でもどこか私にとっては豪華過ぎるような気がして、まだ機会もなかったしいつか訪れてはみたかったのだが、それほど関心をひく都市ではなかった。
3月か4月に、弘前の古本屋でコミック版「エリザベート」を見つけて何となく気になったので購入してみた。恥ずかしながら、それまでまったくエリザベートのことは知らなかったし、特に関心もなかった。しかし読み進めていくうちに彼女を取り巻く時代背景と、そして身分制の時代に生きた彼女の「自由」への限りない憧れに惹きこまれる。
オペラとの話題でからめると当時のオーストリアは19世紀末芸術が円熟期を迎えた頃であり、ワーグナーの信奉者としても知られるルードヴィヒ2世はエリザベートの親類でもあった!

コミックだけでは物足りずに、画像が豊富なことでも知られる「知の再発見双書」シリーズを、アマゾンのユーズドで購入した。この2冊の本を読んだだけでも、シシィ(エリザベート)をめぐる世界的な動きや歴史がよく分かり、ハプスブルク帝国や他の国々との関連などが非常に面白かった。シシィがオーストリア皇妃であった当時、イタリアはオーストリアの支配下にありやがて独立をしていく。作曲家ヴェルディの時代とまったく重なる。

誰もが憧れるであろうオーストリア皇妃の座についたシシィは、その地位を決して望んではいなかった。むしろ愛する父親と乗馬で駆け巡ったバイエルンの山々で、自由に生活する方が彼女にはふさわしかったのだ。一人の女性の選択の余地がほとんどない人生を知って、「彼女の痛みを本当に分かることが出来るのは、日本では皇族の美智子さんや雅子さんかもしれない・・」とふと思った。
キリスト教の信仰を持つ私にとって、日本の天皇制は賛成できるものではないのだが、何故かその二人を想い起こした。そしてその後間もなく皇太子による皇室や宮内庁へ対する批判のようなものが報道され、あまりのタイミングにしばし驚かされた。

シシィは今だに人々をとらえ続けている。ミュージカル「エリザベート」や映画など、リソースにはこと欠かない。機会があればそれらもぜひ鑑賞したいものである。

▼シシィ関連サイト
 シェーンブルン宮殿公式サイト

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