April 17, 2011

愛のイエントル

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スカパー!で見かけたときに、設定に驚きしかもMusical! 改めて鑑賞した。

舞台は20世紀初頭の東欧ユダヤ人社会。家事よりも学ぶことが大好きな女性イエントルは、周囲には内緒で愛する父にタルムード(ユダヤ教の教え)を教わっていた。
当時のユダヤ人社会は特に役割分業がはっきりとしている。女性が学ぶなんてとんでもない。愛する父を天国へ送ったイエントルは、なんと男装して男として大学で学ぶのだった・・。

オープニングは、まるで「屋根の上のヴァイオリン弾き」を思い起こさせるような典型的なユダヤ人社会。主要な登場人物はそれほど多くはないが、男装したイエントル(=アンシェル)はボーイッシュでチャーミングだし、友人で後にイエントルが恋をするアビグドゥも知的さとセクシーさを併せ持ってとても魅力的。

音楽はミシェル・ルグラン。強いインパクトを持つ曲はあまりないけれど、全体的に美しく自然に音楽が流れている。ユダヤ人社会の様子もかいま見られるユニークな作品。イエントルを演ずるバーブラ・ストライサンドの歌唱力、特にラストは素晴らしい。
VHSしかないのがとても残念。

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February 23, 2009

Musical『ダウンタウン物語』

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アラン・パーカーのデビュー作で、14歳で妖艶な歌姫タルーラを演ずるジョディ・フォスターは「タクシードライバー」の次作だとか。子どもたちのみが登場して、ちびっこギャングの様子を描く異色作。抗争のシーンでは漆喰銃やパイ投げ・・というあたりが子どもらしくて、思わずにやりとしてしまう。

後にミュージカル『Evita!』などを撮るアラン・パーカー監督。作品全体のトーンや色合いは、やはり彼らしい。暗くて重めの色調。子どもたちのちょっと気取った生意気なぐらいの演技がとてもよい。ファット・サムやダンディ・ダンなど、大人顔負けの演技。音楽としては、思ったほど印象には残っていないのが少し残念。

それにしてもジョディ・フォスターは、大人になってからよりも子ども時代の方がセクシーかも!? この作品が作られた1976年と現代とでは、子どもたちを取り巻く状況がだいぶ変わってきている。セクシーさをにおわせる子役の起用が、今は許されるかというと難しいような気がする。

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June 09, 2007

ミュージカル「蝶々さん」

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東京で讃美歌委員会のあった翌日、3月に「さまよえるオランダ人」のオペラを観たときにチラシを見かけて予約していたミュージカルへ行きました♪ 島田歌穂主演の「蝶々さん」。原作は市川森一さんで、日本人の眼から見た「蝶々さん」が描かれています。こちらは思っていたよりもキリスト教の要素が強くて意外でした。そもそも主要なキャストに、メソジストの牧師夫妻アーヴィン夫妻が登場します。蝶々さんが長崎の活水学院へ行きたかった・・という話題など、学生YMCAつながりで活水の名前になじみがある者としては驚きました(笑)。

会場に到着したのはギリギリだったのですが、あちらから歩いてくるのは・・島健さん! 島田歌穂さんのパートナーで、作曲家でピアニスト。スカパー!の映像で何度かお見かけしていたので、すっかり知った気分で(笑)軽く興奮。帰りにもまた客席におられた島健さんと遭遇して、嬉しかったなぁ。
そっか、今日が初日だったのですね・・今年の春はずっと多忙だったので、チケットは押さえつつも細かいチェックをほとんど出来ないまま会場へ足を運んだのでした。r(^_^;)

島田歌穂さんは非常に安定していて、とてもよかったです。いつも思うのですが、表現力も演技力もあって、何よりピッチがとても正確。声もよく伸びます。最初から最後まで着物姿でしたが、身のこなしがとても自然で日舞でもされているのでしょうか?
アーヴィン夫妻役の二人も素晴しかった。宣教師は歌唱力抜群で、メインの語り手コレル夫人は存在感ばっちり。書生役の彼は他のキャストに比べて、経験がまだ少ないように感じました。ピッチも少し不安定。全体的には、前半よりも後半の方がどんどん引き込まれて鑑賞しました。
セットはシンプルながらも演出がそれなりに凝っていたので、見応えは充分! 作品としては中規模作品という感じでしたが、会場のTheatre1010(北千住マルイの上階)の雰囲気や規模にちょうどよくマッチしていました。

2008年1月、CS放送のスカパー!のシアターテレビジョンでも舞台が放映されました。

【出  演】
蝶々さん:島田歌穂
コレル夫人:剣幸
アービン宣教師:戸井勝海
書生(木原君):山本匠馬
ケイト夫人:小野妃香里  他

【スタッフ】
作     :市川森一
音   楽:島  健
台本・作詞:忠の仁
演   出:荻田浩一

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March 07, 2005

映画「オペラ座の怪人」

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映画館の近くに住んだことがあまりないので、普段はなかなか映画を観ることは少ない。観ても一律1000円になるレイトショーぐらい。久しぶりに昼間の時間&価格で映画を観た。どうしてもこれだけは、映画館で観たかった!!
なかなか時間が取れず、ちょうど連れ合いが会議で郡山へ用事があったので、私も便乗して映画館へ馳せ参じた。

ミュージカル「オペラ座の怪人」は、初めての渡欧旅行の際に2回も観ることが出来た。あの素晴らしい舞台は、生涯忘れることがないだろう。劇場自体の素晴らしさ、休憩時間に地下でのドリンク(アルコール♪)など、どれをとっても本当に素晴らしかった。ほとんど予備知識もなく観てしまったのだが、「恐らくミュージカルとしては最高級の出来」と心底思った。これは映画よりも舞台の方がさらにそうかもしれない。映画は細部にこだわり大変美しいのだが、幻想性やダイナミックさはむしろ舞台の方が勝っていた。
個人的にロンドンやイングランドよりもスコットランド愛好派なのだけれど、「オペラ座の怪人を観るためだけでも、ロンドンに来たい!」と密かに思ってしまった(笑)。映画や舞台が好きな連れ合いも、これなら文句なく楽しめることだろう。

このミュージカルに何故こんなにも惹かれるのか・・と我ながら思うのだが、それはひとえにアンドリュー・ロイド・ウェバーの音楽の素晴らしさに他ならない。ウェバーの音楽は、一度耳に付くと離れない。素直に聞きやすいだけではないのに、心を捉えて離さない。彼の傑作は数多く、他には「ジーザス・クライスト・スーパースター」「キャッツ」「エヴィータ」などどれも大ヒット作ばかりだ。彼の「レクイエム」も素晴らしい。
「オペラ座の怪人」の曲を聴いていると、一緒に歌いながら涙があふれそうになる。それだけドラマティックで情感的なのだ。

映画版と舞台版の違いは、当たり前と言えばそうなのだけれど、舞台はトータルな芸術として耳に目に焼きついている。一方で映画は細部の再現にはこだわっているけれど、曲や全体のテンポからすると舞台版の方がよく、また映画は主役の3-4人の強調とアップ、そして実際に人物描写自体もクローズアップされている。その点の違いが面白かった。

ファントム(怪人)を演じたジェラルド・バトラーは、たくましくも美しいファントムだ。横顔は、どこかアントニオ・バンデラスにも似ている。ちなみにバンデラスは「エヴィータ」で主役を歌い演じ、こちらも素晴らしかった。歌姫クリスティーヌ役のエミー・ロッサムは、収録時には何と16歳だったと言う。その若さもさることながら、幼い頃よりオペラの勉強をして舞台を踏んでいたと言うのだからさらに驚きだ。好演していたけれど、時折アメリカの女優に感じることがある。それはきれいで垢抜けしすぎていて、時代物を演じた時に微妙な違和感を感じることだ。彼女はそこまで違和感はなかったけれど、よくも悪くも「きれい」だった。
ラウル子爵役のパトリック・ウィルソンは、歌声では秀逸だった。舞台経験も非常に豊富なようだが、表現力も演技力もある歌声で、「ジーザス・クライスト~」のジーザスを出来そうな予感さえ感じた。

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October 11, 2004

Musical「A Little night Music」

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1976年製作、日本未公開 監督:イングマール・ベルイマン
作詞:作曲:スティーヴン・ソンドハイム 演出:ハル・プリンス
主演:エリザベス・テイラー

大学もコンサートの準備も全てが全開で、例年以上に忙しい秋を迎えている。
なかなかゆったりとオペラを観る時間が取れないのだが、小粋なミュージカルを観ることが出来た。それも日本未公開のMusical映画で主演は何とリズ・テイラー! 全体に軽い作品だが、どこかシュトラウスのオペレッタにも似て心地よくさえ感じた。作詞・作曲のソンドハイムは、「ウェストサイドストーリー」の作詞家だと言う。音楽のボリュームは思ったほど多くなかったが、同じメロディが上手に何度か登場している。(こちらで曲の視聴が出来ます)
配役がとてもよかった。18歳の女性と再婚するダンディな弁護士フレデリック、チャーミングな18歳の妻、司祭を志すフレデリックの息子エリック、そしてリズ演じるデジレ・アームフェルトは舞台女優、彼女の恋人は軍人で、その妻は夫の不貞に悩み苦しむ・・というストーリーなのだが、最初の設定と登場人物のバランスが次第に変わり交錯して行く様子が面白い。デジレの実母と娘役の二人も脇役ながら光っている。

物心ついてリズの存在を知ったのはいつだったろうか? 「また再婚」という話題で、映画専門誌で読んだような気がする。若くて今よりもさらに美しかった頃の彼女を知らない私には、不思議なおばさんに見えた。
今自らが30代も半ばを迎えようとして改めてこの作品を見ると、18歳の若い妻と比較されているデジレに何故か親近感を覚えてしまった。もちろんリズ(デジレ)の方がずっと年齢は上なのだけれど、少しずつ体力と若さが衰えていく中でなおも残る魅力、年齢を重ねていくが故の輝きがあるとすればそれは何だろう・・。
軽い作品ではあったが全体に視覚にも美しいヨーロッパ風の風景や調度品が多く、映画「クレオパトラ」を観た時には彼女の美しさに見とれまたそれ故の距離もあったのだが、今回は今までにない親近感をリズに感じながら観たのであった。

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June 04, 2004

「屋根の上のヴァイオリン弾き」

先週の木曜日、弘前の帰りに郡山へ寄って大好きな「屋根の上のヴァイオリン弾き」のミュージカルを観た。
この作品はビデオで観てからとても大好きになったのだが、ロシアに住むユダヤ人のささやかな生活とそしてやがてそこを追い出されてしまう・・という文字通り涙あり・笑いありの素晴らしい話しである。
これまで日本では、森繁久彌さんや西田敏行さんが主演している。日本でユダヤ人の話はどんな感じで描かれるのかな・・というのがどこか疑問でもあり、そして興味もあったのだがようやく舞台を観ることがかなった。

福島では郡山で一日2回の上演のみ、他もローカルは大抵1-2日の公演。全国公演は、何と20年ぶりだったよう! その辺の情報は知らずにとにかくチケットを押さえたのだが、やはり無理しても行けてよかった・・(涙)。
まず行って驚いたのは、小編成ながらもいまどきオケ付の公演だったのである♪ 普通ローカルだとテープ公演ばかりなので・・かなり嬉しかった。主役のテヴィエ夫妻は、市村正親さんと夏木マリさん。やはりこの二人は圧巻で、異彩を放っていた! 娘役には知念里奈さん等も出演。

映画版とはまた違った舞台ならではの細やかさが楽しめた。欲を言えば、もう少し合唱のボリュームが欲しかったのだが、予算の都合等でしょうがないのだろう。その分オケで満足。(^-^)ノ゛

関連サイトはこちらへどうぞ。
http://www.moon-light.ne.jp/musical/Fiddler-on-the-Roof.htm
原作も読んでみたくなり、早速アマゾンで注文を。
原作者のショラム・アレイヘムはロシアで生活をしていたユダヤ人、主人公テヴィエのようにやはりロシアでのユダヤ人大迫害に遭ってしまう。
ユダヤ人は紀元前から「ディアスポラ(離散された民)」として苦悩の歴史を歩んでいるが、住みついた土地によってやはりその後の歩みも様々だったようだ。例えばヨーロッパでも西欧のユダヤ人と東欧のユダヤ人では、地理的条件や経済的・文化的条件が違う。ある本で両者が出会った時の写真を観たのだが、見た目にも歴然としていた。東欧ユダヤ人の方が、より厳しい状況に置かれていたのだと実感した。日本国内でも北と西が違うのと、少し似ているかもしれない。

そう言えば、かの有名なマルク・シャガールもロシア生まれのユダヤ人!
今ちょうどフランス語のレッスンで、「シャガールをめぐる音楽」というCDの解説をゆっくり訳しながら読んでいる。
シャガールの郷里はまさに「屋根の上のヴァイオリン弾き」の世界で、そんな点からも感銘を受けながら舞台を観ることが出来た。

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May 09, 2004

Musical「ふたり」

赤川次郎原作のミュージカル。
最近少し時間がある時や気分転換に、映画も観ずにオペラを観ているのでMusicalを観たのも久しぶりだった。この前1月に仙台で、劇団四季の「CATS」を観て以来かな??

この「ふたり」は以前録画したのにまだ観ていなかったのだが、最初観始めたら少ししんどく感じてしまった。どうしてかな・・・と思ったら、おそらくそれは発声法や歌い方だったのかもしれない。オーディションで選ばれたと思われる高校生世代の女の子たちの、エネルギッシュでパワフルな演技。それは熱演のほどが伝わってきたのだが、いざ歌の場面になるとモーニング娘的な発声法(?)が個人的になじまなかった。しかし最後まで観ていくうちに、舞台のテンポのよさに次第に引き込まれて最後には涙してしまった・・。主演の姉妹を演ずる二人はさすが!の圧巻。「よく体が動くなぁ」と、お○さんっぽい感想を持つ(笑)。
http://www.amuse.co.jp/futari2003/

ただやはりこの作品は音楽作品としての素晴らしさよりは、舞台としての素晴らしさの方が上をいっているかもしれない。舞台演出はとても上手く、シンプルな舞台を様々な場面に見せることに成功している。
最後まで観てネットで少し調べて気付いたら、このストーリーは大林宣彦監督の「ふたり」と同じ内容だった! 個人的には映画の方が好きかなぁ。映像の方が幻想的にもしやすいものね。あぁ、また「ふたり」の映画も久しぶりに観たくなったな。 ▼関連サイトはこちら

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